音楽は今日も息をする。

あんでぃの音楽関連の記事を書くブログ。MONACAと田淵智也多め。

田中秀和氏の件について。

みなさん、お久しぶりです。

 

既にみなさんご存知かと思いますが、先日僕の尊敬してやまない作曲家であった田中秀和氏が強制わいせつ未遂容疑で逮捕されました。

 

 

まさかこんな記事を書く日が来るなんて、思いもしませんでした。

正直なところ、現実だと知りつつも脳がまだ理解を拒んでいる段階です。

ただ、自分の中でぐるぐる渦巻く感情がどうしようもなく苦しくなってきたので、ここで吐き出させてください。

支離滅裂な文章になっているかもしれませんが、どうかご容赦ください。

 

 

まず今回の件についてですが、氏の行為に対して擁護する気はありません。

どんな経緯があったのかは分かりかねますが、どんな経緯だったとしても肯定する気は起きませんし、被害に遭われた方を大いに傷つけたのは言わずもがな、彼の関わった作品、関わったクリエイター仲間含めた関係者、楽曲を提供したアーティスト/声優/VTuber/キャラクターetcに対する背徳行為であると感じています。

 

ただ僕は以前から「アーティストの人間性と作品は分けて評価すべき」という考えであり、今回の件を受けて楽曲の評価を下げるつもりはありません。

同時に、今回の件に関して「楽曲を評価することと被害者を慮ることは両立する」ということも主張しておきたいです。

僕自身も被害者の方はとても不快だったと思うし、氏の行為はそう簡単に許されるものではないと思います。

その一方で、氏の作品を良しとする自らの感性にも抗えないのです。

 

 

僕が氏の存在を知ったのは2015年のことでした。

当時の僕は学業や人間関係が上手くいかず塞ぎ込んでおり、真剣にどうやって自○しようか考えていたぐらいでした。

しかし氏の音楽に出会ったことで生きる希望を感じ始め、上手くいかないなりに生きていこうと思えるようになりました。

間違いなく氏の音楽で僕の人生は変わったのです。

 

2015年以降も氏の音楽に魅了されてひたすら音源を集め、新曲情報をチェックし、出演イベントがあれば多少の無茶をしてでも参加し、ラジオや生放送出演も毎回視聴しつつメールを送り、挙句の果てには氏の名前を印刷したTシャツを作って着たりしていました。

そんなことをしているうちにいわゆる「田中秀和オタク」との交流も増えましたが、その中でも僕はそこそこ熱心な方のファンであったと自負しています。

 

また、僕が「アーティストの人間性と作品は分けて評価すべき」という考えであることは先述しましたが、ファン活動を続けているうちにその人間性にも魅力を感じるようになっていました。

一度だけ偶然にも氏と会話する機会があったのですが、その時もとても誠実で寛大な人という印象でした。

今振り返ると、よくテレビのインタビューである「あんなことする風には見えなかった」と答える人の気持ちになってしまいます。

人間ですから性欲があるのは当然なのですが、それをコントロールするだけの理性を持ち合わせていなかったという事実に心底失望してしまいました。

自分が勝手に抱いていたイメージが勝手に崩れただけなので、それを失望と呼ぶのは相応しくないのかもしれませんが、自分がこれだけ好きで応援してきた、尊敬する人間は?と聞かれたら真っ先に名前を挙げていた人間に対して不快な感情を持ってしまうようになった、という事実が今はただただ悲しいです。

 

続いて今後についてですが、氏が提供してきたコンテンツと氏の犯した罪を考えると、少なくとも当分の間は氏の楽曲がライブで披露されることはないでしょう。あるいはこのまま永遠に封印されてしまうかもしれません。

これに関しては個人的にはとても残念なことではあるのですが、コンテンツを提供する側の人間が氏の楽曲を使用するメリットと使用したことにより一部の層から批判を受けるデメリットを天秤にかけた時、後者の方が大きいと判断するのも当然といえば当然であり、仕方のないことだと思います。

田中秀和の名で表舞台に立てば必ず今回の件がついてくるでしょうし、仮に名義を変えたとしても残念ながら(僕自身含め)オタクには一瞬で気付かれてしまうと思うので、正直表舞台に立つことはもう難しいように見えます。

ただ表舞台に立つにしろ立たないにしろ、自身の犯した罪は一生をかけて償っていっていただきたい、というのが僕の思いです。

 

最後に、今回の件を通じて一番強く感じたのは「何か一つのことに依存しすぎるのは良くない」ということでした。

幸いにも僕には氏の作品以外にも心の拠り所となれるものがあって、今回の件の後に参加したUNISON SQUARE GARDENのライブはめちゃくちゃ良かったし、日本シリーズ観戦も楽しかったです。

なので、(今は少し難しいかもしれませんが)少しずつ時間をかけてそれらと同じように適度な距離感を測りながら作品と向き合っていけたらいいな、と思いました。おしまい。