音楽は今日も息をする。

あんでぃの音楽関連の記事を書くブログ。MONACAと田淵智也多め。

1年

こんにちは。

 

田中秀和氏の逮捕報道があった日から今日で丸1年となりました。

そこで、今回はこの1年を振り返って何があったか?その時僕は何を思ったか?というのを書いていきたいと思います。

 


有罪判決が出た

まずは何よりもこれでしょう。

今年の3月に初公判があり、5月には懲役1年6か月執行猶予3年の判決が下されました。

この中では当初報道されていた件以外にも余罪があったことが明らかになるなど、彼を応援してきた人間としては思うところが多くありました。

ただ、ここで法のもとに裁かれたことによって、当初の報道から「何かの間違いであってほしい」という心の片隅にあった気持ちとも完全に決別できて、逆に少し安心したかもしれません。

 

性犯罪への嫌悪感が高まった

もちろん事件以前から性犯罪に対して良く思うことはありませんでしたが、より強い嫌悪感を覚えるようになりました。

今回の事件でも、被害者の方が

「償い終わっても田中被告を許すつもりはない。一生恨みます」

https://www.fnn.jp/articles/-/528853 より引用)

と述べている通り、一生癒えない傷を負わせる行為であり、到底許し難いと感じています。

 

記事内では被害者の方が理不尽な誹謗中傷を受けつつも法廷の場で陳述した旨が書かれていますが、こうして記録として残ることで性犯罪の罪の重さを改めて認識するきっかけになりました。

 

楽曲を聴く機会が減った

「作品と作家の人格を切り離して考えるべきか否か」という議論は今回の件に限らず数え切れないほど行われてきたと思いますが、僕は一貫して「切り離して考えるべき」という意見でした。

 

今でもこの意見は変わりないのですが、1年を振り返るとやはり楽曲を聴く機会は減りました。

これは作者の人格に影響を受けているということの証明に他ならないのですが、「減った」という表現からも分かる通り完全に聴かなくなったわけではありません。

過去に聴いて感動した楽曲は今聴いても感動しますし、その曲を聴くことで自身の魂が揺さぶられたという事実に代わるものはないのです。

 

客観的に見ても作品と作家の人格を完全に切り離せているとは言い難いですが、ある程度切り離すことは出来ていて、報道直後の記事で書いていた「適度な距離感を測りながら作品と向き合っていく」段階になってきたと思っています。

 

楽曲のライブ披露に立ち会うことはなかった

この1年、彼が楽曲提供したコンテンツ・アーティストや、彼が提供したキャラソンを歌唱した声優のライブに何回か参加しましたが、彼の楽曲が披露されたことはありませんでした。

僕が参加していないライブやイベントで披露されたことはあったようですが、これに関しては「彼の作った曲を披露した/披露していないでライブの良し悪しは決まらないし、ライブを運営する側の彼の作った曲を披露する/しないの判断に正誤もない」と基本的には思っているので、特に不満ではないです。

 

ただ、唯一納得していないのは某声優ユニットの「彼が編曲にしかクレジットされていない曲をリアレンジして披露・発売する」というやり方です。

 

確かに別の人に編曲してもらうことでクレジットに名前は出てきません。

しかし、そもそも彼の編曲を前提に制作された楽曲であることを考えると本質的には解決していないんじゃないか?と思うのです。

「作曲と編曲の境界線は曖昧である」という話はよく耳にしますが、であれば編曲が別人に変わったからと言ってリアレンジ後の曲から彼の要素を完全に排除できているとは言い切れないのではないでしょうか。

前述の通り披露する/しないのどちらが正しいというのは無いと思っていますが、この対応はすごくどっちつかずな対応に思えて、未だに納得できていません。

 

このユニットにはこのような形でリアレンジされた楽曲が2曲あるのですが、そのうち1曲はデビュー曲なので「なんとかして披露できるようにしたい」という運営側の気持ちもある程度理解できます。

しかし2曲目に関してはただただ受け入れ難く、そんな曲が披露される可能性のあるライブにチケット代を払って参加する気には到底なれないので、今後そのユニットの出演するライブに行くつもりは無くなりました。

 

これは運営の方針と合わない人間が無理についていこうとする必要はなくて、自分の納得できる向き合い方をしましょうねというだけの話です。

(実際このユニットに関しては他に好きな曲もあるので、今後も日常生活の中で聴き続けるつもりですし)

 

"っぽい曲"が出てきた

「この系統だったら彼の曲が聴きたかったなぁ」と思ってしまう曲が世に出るようになってきました。

一部ではその曲自体に抵抗がある人もいるようですが、僕が観測した範囲内の曲に関して僕自身はそれなりに良いと思っていますし、流し聴きする分には特に気になることはありません。

ただ一瞬のフレーズや楽器の使い方に「彼だったら」という考えが横切り、純粋に楽しめない瞬間もあります。

 

当たり前のことですが、その人の楽曲はその人にしか作れないということを再認識させられました。

 

復帰してほしいか?

今の段階だと「してほしい」以前に「出来る・出来ない」の段階なので、まずはしっかりと罪を償って社会復帰してほしいと思います。

それでもし「作曲家として復帰します」と言うのであれば今の僕は受け入れたいと思っていますが、本当に受け入れられるかは何とも言えないです。

今はとにかく「その時」を待つしかないと思っています。

 


最後に

改めて振り返ると、この1年で整理がついた部分とついていない部分がありますが、これからも向き合い方は考えていくことになるだろうなと思っています。

 

そして今回書いたのはあくまで僕の意見であって、色々な意見があって当然だと思います。

みなさんがどう思っているのか、改めて聞かせてもらえたら嬉しいです。

 

もし何かありましたらコメントもしくはあんでぃくんさん (@aPnKdMyN) / Xまでどうぞ。

 

それでは〜。

青山吉能1stアルバム『la valigia』全曲レビュー 〜「旅」とは〜

みなさん元気ですか?

わたしは元気です。

 

青山吉能です(違います)。

 

 

 

冗談はさておき、3/8に青山吉能さんの1stアルバムが発売になりました。

la valigia

la valigia

青山吉能さんと言えば昨年『ウマ娘』や『ぼっち・ざ・ろっく!』などの出演などもあり、今やすっかり大人気声優の一人です。

 

僕が彼女の存在を知ったのは2016年頃、正確な時期は覚えていないのですが、楽曲を漁っていて「Wake Up, Girls!」という声優ユニットを知った時でした。

最初の頃は見た目と歌声しか知らなかったので「歌は上手いけど推しになるタイプじゃないなぁ」と思っていました。

しかしそこからWUG関連の動画や生放送を見るにつれ、次第に「あれ?もしかしてこの人好きかも」と思い始め、気付いたらめちゃくちゃ好きになっていました。人を見た目で判断してはいけませんね。

 

そんな彼女と出逢わせてくれた声優ユニットWake Up, Girls!は、2019年3月を以て声優ユニットとしての活動を終了しました。

ちなみにファイナルライブ当日の話は当時の僕が記事を書いているので、良かったら読んでみてください。

andy-music.hatenablog.com

この時、Wake Up, Girls!というユニットのことが好きだったので活動終了はもちろん悲しかったのですが、それはそれとして青山吉能という人間のことも好きになっていたので、ユニット活動が終了したからと言って追いかけるのをやめたりはしないだろうな、とも思っていました。

 

そんな中2021年末にはライブ、2022年にはアーティストデビューが決まった時には本当に嬉しかったです。

やはり青山吉能という人間を語る上で「歌」は外せないものだと思っているので、それを表現する場があること、そして彼女がそれを選んだことに感謝でいっぱいでした。

 

そんなデビューから1年、いよいよ1stアルバム『la valigia』の発売を迎えました。

ちなみに『la valigia』はフランス語で「スーツケース」という意味だそうですが、個人的には既にこの時点でグッと来てしまいます(詳細は後述)。

 

というわけで今回は『la valigia』の全曲レビューをしていきたいと思います。

色々入り混じって長くなるかもしれませんが、オタクの御託にお付き合いいただければと思います。

 

1. Sunday

作詞・作曲・編曲:馬瀬みさき

 

早速ですが語らせてください。

 

WUGの解散が決まってから発表された新曲が4曲あり、その中に『土曜日のフライト』という楽曲があります。

過去の記事でも何度も触れている、僕の大好きな楽曲の1つです。

この『土曜日のフライト』がファイナルライブで歌唱されてから丁度4年後に発売された『la valigia』の1曲目が『Sunday』というところに、どうしようもなく文脈を感じてしまうのです。

オタクは文脈で生かされている。

 

『土曜日のフライト』の青山吉能さん歌唱パートには

忘れないで でも上手に忘れて

という一節があります。

 

一方『Sunday』には

素敵なSunday

今日からは新しくはじまる朝

という一節があります。

 

過去のことは事実として自分の中で咀嚼した上で、それでも前向きに未来を向くことが「上手に忘れる」ことなのかな、とこの曲を聴いた時に思いました。

 

楽曲の話をすると、うねるベース+ギターのカッティング+ブラスのアンサンブルが心地良く鳴っていて、アルバムの1曲目を飾るに相応しいポップな楽曲に仕上がっています。

あと「Sunday」の"ン"の歌い方が青山吉能さんの特徴的な歌い方で好きなんですが、これって合唱経験者なのは関係あるんでしょうか。あまり詳しくなくて申し訳ないですが有識者がいれば教えてください。

 

2. あやめ色の夏に

作詞・作曲・編曲:永塚健登

 

こちらは2ndシングルです。

ストリングス、ピアノ、アコギなどのサウンドがノスタルジックで、存在しない夏の記憶を生み出すような楽曲になっています。

個人的に既存曲では一番好きで、特にお気に入りポイントは2番のBメロ終わりでそのままサビに行かず間奏→サビへと進んでいくところ。

聴くたび永塚健登さんありがとうの舞を踊っています。

 

 

ちなみにこれは完全に余談ですが、過去の記事で2021年の10曲の中に永塚健登さん作詞・作曲の亜咲花『Seize The Day』を挙げています。

andy-music.hatenablog.com

思わずクネクネ踊り出してしまいます。

2年前も永塚健登さんありがとうの舞を踊っていました。

 

3. moshi moshi

作詞:雨野どんぐり / 青山吉能 作曲・編曲:宮原康平

 

ここまでの2曲とは打って変わってシンセサウンドです。

電話の着信音のような音が入っていたり、どちらかというと飛び道具的な立ち位置の楽曲なのかなと思いました。

こういう曲があるのもアルバムの醍醐味ですよね。

 

曲中にはセリフ調で歌われる箇所が多くありますが、このギミックは声優アーティストならではと感じると同時に、歌唱部分でも機械的に感じるよう淡々と歌う青山吉能さんの表現の幅広さは流石だなぁと思いました。

 

ちなみに作編曲の宮原康平さんは、以前アニメ『灼熱の卓球娘』で由良木ゆら(CV:青山吉能)が参加しているキャラクターソング『サプライジング★ルーキー』の作編曲も担当されていました。文脈。

サプライジング★ルーキー

サプライジング★ルーキー

  • provided courtesy of iTunes

 

4. Mandala

作詞・作曲:矢吹香那 編曲:前口ワタル

 

いや〜〜〜〜〜〜最高です。

やはり青山吉能さんの歌声と90年代ポップス調の楽曲の相性は抜群ですね。

ステラ・ドライブ

ステラ・ドライブ

  • provided courtesy of iTunes

↑前例。

 

聴いていると無限にカッティングの振りコピ(?)するおじさんになってしまうのですが、歌詞カードの写真もそんな感じでとてもGoodです(どういうことか気になる人はCD買って自分で確認してください)。

 

5. My Tale

作詞:タイラヨオ 作曲・編曲:hisakuni

 

3rdシングルです。

1st、2ndとは違い打ち込みメインの楽曲となっています。

MVの影響もあって夜のイメージが強いです。

 

この曲を聴いていると「本当に自分がやりたいことが出来ているんだな」と感じますね。

 

シングルで出た時はあまり聴けてなかったので今回改めて聴き直していたんですが、ストリングスかっこいいですね。特に1番とラスサビの前半1回目と2回目の間(「♪喧騒と静寂」の前)、2番のサビ前(「♪明確と曖昧」の前)に注目して聴いてみてください。

 

6. ツギハギ

作詞・作曲・編曲:トミタカズキ

 

ピアノと歌始まりのバラード真っ向勝負な楽曲です。

 

正直なところ、僕はバラードというのがあまり好きな方ではないです。

曲によってはある種の「押し付けがましさ」みたいなものを感じてしまい、その瞬間に敬遠してしまうことがしばしばあります。

 

しかしこの曲に関してはそんなことは無く、スッと耳に入ってきました。

それはやはり青山吉能さんの歌の力が大きいと思います。

優しい歌い出しから始まり、曲が進むに連れて変化していく感情を表現した歌になっていて、特に最初と最後で歌の表情の違いに注目して聴くと、その変化が分かりやすく感じ取れると思います。

 

7. Sweetly Lullaby

作詞・作曲・編曲:馬瀬みさき

 

はい、好きです。

オシャレなコード、ブラス、ピアノ、そして間奏にはスキャットなんかも入って上質なシティポップに仕上がっています。

歌も良い意味で肩に力が入ってない感じで、「こういう歌い方も出来るのか」とここでも青山吉能さんの表現の幅広さに感心してしまいました。

 

それにしても『Sunday』に続き、馬瀬みさきさん素晴らしすぎます・・・

今後の活動でもこういう曲があると個人的には嬉しいですね。

 

8. STEP&CLAP

作詞・作曲・編曲:小幡康裕

 

陽気なハネのリズムで思わず踊り出したくなる楽曲。

過去も未来も今はそっと

忘れてしまえばいいの

という歌詞の通り、とにかく今を楽しもう!という気持ちが前面に出ています。

 

インタビューや配信でも「ライブ映えを意識して作られた曲」と語られていたので、ライブで聴ける日が来るのが楽しみですね。

 

9. 透明人間

作詞・作曲:ヒグチアイ 編曲:木原良輔

 

無事感情破壊されました。

 

作詞・作曲のヒグチアイさんについては最早説明不要かと思いますが、直近だと自身名義でのアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』のED『悪魔の子』や、青山吉能さん関連で言うと『ぼっち・ざ・ろっく!』の『青春コンプレックス』『ひとりぼっち東京』『あのバンド』『星座になれたら』の作詞などで話題になりました。

 

この曲についてですが、歌詞全編に渡って「青山吉能」という人間に対する解釈が完全一致なんですよね。

引用して語り出したら全編語ることになってしまうので出来ませんが、これぞ青山吉能!と言わんばかりの歌詞になっていて、プロのクリエイターは本当にすごいと言わざるを得ません。

 

青山吉能の歌を一言で表すなら「魂」だと言われることがありますが、そんな歌詞だからこそ特にこの曲の歌唱には魂がこもっていて、こちらの感情も大きく揺さぶられるんですよね。

そんな彼女の魅力がギュッと詰まった楽曲だと思いました。

 

10. Page

作詞:青山吉能 作曲:矢吹香那 編曲:前口ワタル

 

最後を飾るのはデビューシングルです。

この曲はアルバム内で唯一本人のみの作詞となっていますが、あまりにも青山吉能を体現している前曲『透明人間』からの本人作詞という流れが綺麗で、曲順の妙を感じます。

 

今更語ることもないかな、とも思うのですが本当に良い曲ですね・・・。

リリース当時から青山吉能のアーティスト活動を進めていくに当たって解釈一致な楽曲だと思いましたし、デビューから1年、こうしてアルバムが発売されてもその気持ちは変わりませんでした。

それは本人がやりたいことをやれる環境にあること、そしてそれを見たいというこちらの気持ちも変わっていないことの証明でもあると思うのですが、それってとても良い形のアーティスト活動なのでは?と思いますね。

 

ex. たび

作詞:青山吉能 作曲:Noda Akiko 編曲:木原良輔

 

この曲は元々デビュー前のライブのために作られたという背景がある特別な曲なので、パッケージ版ボーナストラックとなっています。

 

作曲のNoda Akikoさんは『続・劇場版 Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』にも関わっていた他、前述の『サプライジング★ルーキー』にもコーラスで参加されています。文脈。

 

と、ここまで書いておいて何ですが、この曲について語るのは野暮な気がしてきました。

皆さんには是非パッケージを手に取って、青山吉能さんの歌を、歌詞を、噛み締めてほしいと思います。

特にWUG時代から彼女を知る人には、刺さる箇所も多いんじゃないかと。

 


 

長々と書いてきましたが以上になります。

で、結局のところ何が言いたかったかというと「青山吉能さんの歌を聞いてください」の一言です。

少しでも青山吉能という存在に触れた人、とにかく聞いてください。

 

 

この記事を書くにあたって、「旅」という単語について少し考えてみました。

「旅」の類義語に「旅行」という単語があります。

この2つの単語はほとんど同じ意味ですが、ニュアンスの部分に違いがあるように感じます。

 

「旅行」は目的地があって、そこに向かうイメージ。英語だと"Travel"と訳すのがしっくりきます。

それに対して「旅」は目的地はなく、どちらかというと「旅」そのものが目的のイメージ。英語だと"Journey"と訳すのがしっくりきます。

 

このアルバムのテーマになっている「旅」は後者の方で、「旅」そのものが重要な意味を持ちます。

ここに至るまでの道のり、出会った人、見た景色、過ごした時間。その全てが「旅」なのだと思います。

 

だから青山吉能は「未だ旅の途中」だし、その途中で偶然出会った僕たちに「旅」の一部を見せてくれているんだと。そんな風に解釈しています。

彼女がこれからどんな景色を見せてくれるのか、楽しみになってきたところで今回はここまでです。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

それでは〜。

ぼっち・ざ・ろっく!イベントの客入れBGMセットリストを勝手に組む。

みなさん、お久しぶりです。

 

前回の記事から約4ヶ月、なんと2月末にして2023年初更新です。

あけましておめでとうございます(遅)

 

何故突然更新する気になったのか?と言いますと、実は先日とあるライブに参加した時にTwitterのフォロワーさんとお会いする機会があったのですが、その時にこのブログの記事の話をされまして、読んでくださる人が居るのならもうちょっと頑張って更新しようかな、と思った次第です。

 


『ぼっち・ざ・ろっく!』の話

さて、早速ですが皆さんはアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』はご覧になられましたか?

昨年末に放送されて話題になったので視聴済みの方も多いんじゃないかと思いますが、僕もご多分に漏れずしっかり視聴していました。(以後ネタバレ注意)

アニメは何回見たか分からないし、BDは全巻予約したし、何なら原作も全巻買ったし、俗に言う「沼にハマった」わけです。

 

僕はアニメ化が決まった段階で

  • きらら原作
  • メンバーの名前をASIAN KUNG-FU GENERATIONから取っている
  • 原作には邦ロックバンドのMVパロ絵がある

ぐらいは知っていて、きららも邦ロックも好きなので正直ハマりそうな気はしていました。

しかし、きららでバンドといえば誰もが思い浮かべる名作『けいおん!』が放送された当時の僕は「アニメ(笑)」みたいなことを言ってた人間だったので(当時はクソガキだったんです。今では好きですよ)、ハマれるのか?という疑問もあってあまり触れずに過ごしていました。

とはいえ僕の推し声優であるところの青山吉能さんが主役のアニメを見届けない訳にはいかないので、しっかりと視聴した結果しっかりとハマりました。ええ。

 

ハマった要因として、もちろん映像や話の展開など全体的にアニメとしてのクオリティが高かったのはあるんですが、何と言っても「音楽」が魅力的だったことが大きいです。

1話のEDを見ながら「なんかKANA-BOONっぽい曲だな・・・」と思っていたらEDテーマのクレジットに「作詞・作曲:谷口鮪KANA-BOON)」と書いてあった時は思わず声を上げて笑ってしまいました。本物なのかよ。

 

あとは最終回で『転がる岩、君に朝が降る』が流れて、後藤ひとりが歌い出した時はもう感情ぐちゃぐちゃのボロボロになっていました。

なんせ僕がアジカンでトップクラスに好きな曲を、好きな声優が歌い始めたわけですから。

(ついでにこの時2位に挙げている江ノ島エスカーは第9話のタイトルになってましたね)

 

そしてどハマりした結果イベントに参加したい!と思い、東京と仙台の2ヶ所でリリースイベントに参加しました。

(ちなみに僕は西の人間です。大阪だけ参加してません。なんで?)

イベント当日は開場〜開演までの約30分間、客入れの間に会場内でBGMが流れていました。

こういうのってアニメ系のイベントだと作品に関連する主題歌・劇中歌・キャラソン・劇伴etcが流れていることがほとんどなのですが、何故かこの作品はそうではありませんでした。

いや、あまりにも"ガチ"すぎる。

まず何でこんな邦ロック楽曲が流れているのか意味が分からないという話と、その中であまりにも邦ロック大好きな僕の心をくすぐるセットリスト。

誰が選曲したのか本当に気になりすぎて夜も眠れないよ〜なんて言ってた時に、ふと突然思いついたのです。

 

「これ、自分で組んでみたくね?」

 

と。

 

この作品を好きな人はきっと音楽が好きな人が多いと思いますし、きっとこの作品の楽曲の奥底から香ってくる邦ロックの香りに魅力を感じている人もいるはずです。

そんな人たちと共感し合いたい、そして邦ロックをよく知らない人にもこの作品がきっかけで邦ロックの良さに触れてもらいたい、とい思いを込めてセットリストを考えました。

 

ま〜〜〜早い話が公式に便乗して好きな音楽を語りたいだけです。

便乗してなにが悪い。

 


妄想客入れセットリスト

ということで

  • 約30分
  • リスト内でアーティスト被りなし

の2つの条件+僕が確認した2回のセットリストから感じた90年代後半〜00年代の雰囲気を意識してセットリストを組んできました。

(とはいえ僕はリアルタイムで追っていた訳ではないのでどうしても後追いになってしまうのですが、そこは許してほしい所存)

それがこちらです。

1. トワイライト/GOING UNDER GROUND

ゴーイングの代表曲を聞かれたら『LISTEN TO THE STEREO!!』かこの曲を挙げる人がほとんどなんじゃないかと。

 

歌い出しは「あぁそうか あれは…」で終わって間奏に入るのに対して、ラスサビ前は静かに「あぁそうか あれは」→「僕の街だ!」から助走をつけてラスサビに突入するのが歌詞の対比とも合わさってエモーショナルな楽曲です。

2. 花屋の娘/フジファブリック

まずイントロから疾走感溢れるピアノがカッケェんですよ。

そして何と言っても志村正彦の唯一無二の歌声。

上手いと言うよりも素朴で感情が伝わりやすいというのが大きくて、この曲の歌詞も、冷静になって読んだら一歩間違えば変態とも取られかねないのに何故か魅力的に映る、不思議な力がある歌声ですよね。

 

ちなみにフジファブリックといえば、原作1巻13話の扉絵の元ネタは『若者のすべて』という曲のMVです。

邦ロックを代表する大大大名曲です。

今は音楽の教科書にも載ってたりするらしいです。

良い時代ですね。

 

3. ドライド アウト/ACIDMAN

公式に『赤橙』を取られたので(取られたってなんだ)、普通に好きな曲を選びました。

イントロで激しい感じか?と思わせておいて意外とAメロからは爽やかに進行していく二面性、どちらも出来るのがACIDMANなんですよね〜。

時々入る細かなキメもカッコいい。

 

それからACIDMANといえば「宇宙」と「生命」、と言われるぐらい歌詞が壮大なことが多いです。

この曲はどちらかといえば「生命」寄りですかね。

4. 無限の荒野/THE BACK HORN

THE BACK HORNの楽曲は激しい中にも切なさがあり、ドラマチックなところが魅力だと思っています。

特に日本人らしさを感じるのはメロディだったり歌詞だったりするんですが、僕が邦ロック好きなのってそういうところだったりもするのかなと。

僕は歌詞をそこまで重要視しているタイプの人間ではないので、歌詞を意識して聴くことはそんなに多くないのですが、とはいえ日本語であれば無意識でもある程度聞き取れるじゃないですか。

するとたまたま聞き取れた歌詞がメロディと合わさってすごく魅力的に聞こえる瞬間があって、それが本当に「良い歌詞」だと僕は思っています。

この曲で言うと「否、まだだ、ここでは死ねない」がそれに該当します。

 

ちなみにTHE BACK HORNと古くからの付き合いであるアジカン後藤正文さんはラジオで「ぼっちちゃんは昔のTHE BACK HORNみたい」という旨の発言をしていました。

open.spotify.com

でもなんかわかるかもしれない。

5. Eric.W/the band apart

バンアパの代表曲の一つ。

今回は(いや毎回そのつもりですが)逆張り選手権ではないので堂々と代表曲を紹介していきます。

バンアパといえば「オシャレ」と言われることが多いですが、その中でも歌だけではなくて楽器の演奏にも注目してほしいです。

素人でも分かっちゃうぐらい全員バカうめぇです。

 

『ぼっち・ざ・ろっく!』の楽曲の中でも『星座になれたら』の曲調が好きな人はバンアパを聴いてください。

絶対にハマると思うので。

6. ハルジオン/BUMP OF CHICKEN

最早国民的ロックバンドとなっているので改めて説明する必要はないでしょう。

一番の代表曲『天体観測』(余談ですが原作2巻に収録されている番外編の扉絵は『天体観測』のMVです)ではなくこの曲を選んだ理由は「何となく」・・・というのは半分冗談で、半分本気です。

 

『天体観測』でヒットした後、売れ線ポップバンドに路線変更するという選択肢もあったかもしれない中で次にリリースしたシングルがギターを掻き鳴らすこの曲。

やっぱりバンドって 最高にかっこいいなぁ…

(『ぼっち・ざ・ろっく!』より引用)

7. 水色の風/syrup16g

これも公式に『生活』を取られたので(だから取られたってなんだ)、普通に好きな曲を選びました。

 

実はこの曲に先ほど紹介したBUMP OF CHICKENのボーカルである藤原基央が参加しています。

というかそもそも僕の邦ロックの入り口はBUMPで、その繋がりでこの曲を知ったのがsyrup16gとの出会いでした。

当時の僕には衝撃でしたね、「こんなに暗くていいんだ」と思いました(本当にクソガキみたいな感想ですが、クソガキでした)。

『ぼっち・ざ・ろっく!』のキャッチコピーにもなっている「陰キャならロックをやれ!」の究極みたいなバンド。

絶望したい時にオススメです。

 


というわけで今回の記事はここまでです。

 

妄想セトリを組むの、楽しいので近いうちに第2弾もやりたいです。

次はもうちょっと新しめ(とは言っても2000年代後半)のバンドかな〜。

 

そして他の人が考えたのも見てみたいので、是非みなさんも 記事なりTwitterなりで #ぼざろ客入れ妄想セトリ やってみてください。

僕が喜んでチェックします。

 

それでは〜。

田中秀和氏の件について。

みなさん、お久しぶりです。

 

既にみなさんご存知かと思いますが、先日僕の尊敬してやまない作曲家であった田中秀和氏が強制わいせつ未遂容疑で逮捕されました。

 

 

まさかこんな記事を書く日が来るなんて、思いもしませんでした。

正直なところ、現実だと知りつつも脳がまだ理解を拒んでいる段階です。

ただ、自分の中でぐるぐる渦巻く感情がどうしようもなく苦しくなってきたので、ここで吐き出させてください。

支離滅裂な文章になっているかもしれませんが、どうかご容赦ください。

 

 

まず今回の件についてですが、氏の行為に対して擁護する気はありません。

どんな経緯があったのかは分かりかねますが、どんな経緯だったとしても肯定する気は起きませんし、被害に遭われた方を大いに傷つけたのは言わずもがな、彼の関わった作品、関わったクリエイター仲間含めた関係者、楽曲を提供したアーティスト/声優/VTuber/キャラクターetcに対する背徳行為であると感じています。

 

ただ僕は以前から「アーティストの人間性と作品は分けて評価すべき」という考えであり、今回の件を受けて楽曲の評価を下げるつもりはありません。

同時に、今回の件に関して「楽曲を評価することと被害者を慮ることは両立する」ということも主張しておきたいです。

僕自身も被害者の方はとても不快だったと思うし、氏の行為はそう簡単に許されるものではないと思います。

その一方で、氏の作品を良しとする自らの感性にも抗えないのです。

 

 

僕が氏の存在を知ったのは2015年のことでした。

当時の僕は学業や人間関係が上手くいかず塞ぎ込んでおり、真剣にどうやって自○しようか考えていたぐらいでした。

しかし氏の音楽に出会ったことで生きる希望を感じ始め、上手くいかないなりに生きていこうと思えるようになりました。

間違いなく氏の音楽で僕の人生は変わったのです。

 

2015年以降も氏の音楽に魅了されてひたすら音源を集め、新曲情報をチェックし、出演イベントがあれば多少の無茶をしてでも参加し、ラジオや生放送出演も毎回視聴しつつメールを送り、挙句の果てには氏の名前を印刷したTシャツを作って着たりしていました。

そんなことをしているうちにいわゆる「田中秀和オタク」との交流も増えましたが、その中でも僕はそこそこ熱心な方のファンであったと自負しています。

 

また、僕が「アーティストの人間性と作品は分けて評価すべき」という考えであることは先述しましたが、ファン活動を続けているうちにその人間性にも魅力を感じるようになっていました。

一度だけ偶然にも氏と会話する機会があったのですが、その時もとても誠実で寛大な人という印象でした。

今振り返ると、よくテレビのインタビューである「あんなことする風には見えなかった」と答える人の気持ちになってしまいます。

人間ですから性欲があるのは当然なのですが、それをコントロールするだけの理性を持ち合わせていなかったという事実に心底失望してしまいました。

自分が勝手に抱いていたイメージが勝手に崩れただけなので、それを失望と呼ぶのは相応しくないのかもしれませんが、自分がこれだけ好きで応援してきた、尊敬する人間は?と聞かれたら真っ先に名前を挙げていた人間に対して不快な感情を持ってしまうようになった、という事実が今はただただ悲しいです。

 

続いて今後についてですが、氏が提供してきたコンテンツと氏の犯した罪を考えると、少なくとも当分の間は氏の楽曲がライブで披露されることはないでしょう。あるいはこのまま永遠に封印されてしまうかもしれません。

これに関しては個人的にはとても残念なことではあるのですが、コンテンツを提供する側の人間が氏の楽曲を使用するメリットと使用したことにより一部の層から批判を受けるデメリットを天秤にかけた時、後者の方が大きいと判断するのも当然といえば当然であり、仕方のないことだと思います。

田中秀和の名で表舞台に立てば必ず今回の件がついてくるでしょうし、仮に名義を変えたとしても残念ながら(僕自身含め)オタクには一瞬で気付かれてしまうと思うので、正直表舞台に立つことはもう難しいように見えます。

ただ表舞台に立つにしろ立たないにしろ、自身の犯した罪は一生をかけて償っていっていただきたい、というのが僕の思いです。

 

最後に、今回の件を通じて一番強く感じたのは「何か一つのことに依存しすぎるのは良くない」ということでした。

幸いにも僕には氏の作品以外にも心の拠り所となれるものがあって、今回の件の後に参加したUNISON SQUARE GARDENのライブはめちゃくちゃ良かったし、日本シリーズ観戦も楽しかったです。

なので、(今は少し難しいかもしれませんが)少しずつ時間をかけてそれらと同じように適度な距離感を測りながら作品と向き合っていけたらいいな、と思いました。おしまい。

今年の10曲(2021年編)

お久しぶりです。

 

もはや年末にしか記事を書かない人になってますが、「今年の10曲」は2018年から書き続けていて、今後も継続させていきたいので今年もしっかり記事を書いていきたいと思います。

 

選定対象は2021年に発売された曲とし、それ以外の条件は特になしとなっています。

紹介はだいたいの時系列順になっています(多分)ので、それを踏まえて読んでいただけると幸いです。

 

それでは早速紹介していきたいと思います。

 


 1)クラクトリトルプライド/夏川椎菜

作詞:夏川椎菜 作曲:田淵智也 編曲:HAMA-kgn

 

夏川椎菜の5thシングル『クラクトリトルプライド』の表題曲です。

そもそも夏川椎菜さんと田淵智也さんが好きで、田淵さんが夏川さんの音楽を評価していたのも知っていましたが、実際に曲を作るとなると片方が"寄せ"にいったりして微妙な感じになることも考えられるので聴く前には不安でした。

いざ聴いてみると田淵成分と夏川成分が共存しつつも良いバランスで作られており、とても安心しました。

「悔しいのが楽しいのは全部僕のせいだ」とか、どこか田淵っぽさも感じつつ夏川さんのアーティストとしての世界観を持っていてすごく良い歌詞だと思います(個人の感想)。

短めの一節を繰り返すことで印象に残るメロディも田淵っぽさがあって良いですね。

 

落ち込んだ時ややる気を出したい時などさまざまなシチュエーションで聴いていたので、2021年の再生回数もこの曲が一番多かったです。

 

2)Seize The Day/亜咲花

作詞・作曲:永塚健登 編曲:立山秋航

 

亜咲花の9thシングル『Seize The Day』の表題曲です。

こちらはテレビアニメ『ゆるキャン△ SEASON2』のOPとなっていて、前作『ゆるキャン△』のOP『SHINY DAYS』も良かった分期待値は高かったと思いますが、それに応えるだけのパワーがある楽曲だと感じました。

楽曲としてはジャズファンクな曲で、エレピや弦やブラスやベースの絡み合いがとにかくカッコいい上に亜咲花さんの歌がバチバチに上手くて思わずクネクネ踊り出してしまいます。

 

3)創造/星野源

作詞・作曲・編曲:星野源

 

星野源の配信限定シングル『創造』の表題曲です(12thシングル『不思議/創造』にも収録)。

 

いや、星野源ガチで凄すぎませんか。

そりゃガッキーと結婚もしますわ(?)

 

それにしてもパッと聴きでは混乱してしまいそうな展開の多さに加えて、これでもかと言わんばかりに任天堂リスペクトのサウンドを盛り込んでいながらも、JPOPの最前線に立つポップさもある。

そんな曲がちゃんと多くの人に届いてるこの国は最高です。

 

「死の淵から帰った 生かされたこの意味は 命と共に 遊ぶことにある」

星野源が歌うと重みが違いますね。。。

 

4)many merry number/吉河順央

作詞:吉河順央 作曲・編曲:石濱翔(MONACA)

 

吉河順央の配信限定EP『FOR NOW』に収録されている楽曲です。

 

https://twitter.com/monaca_ishihama/status/1387675251740270594?s=21

作編曲の石濱さんが「今の自分がやらなさそうな事をやっていたりして逆に新鮮な気持ち」とツイートしており、実際に曲自体は数年前から存在していたようですが、『アイカツ!』初期辺りの石濱さん楽曲の香りを感じてとても良いですね。

イントロからずっと高橋邦幸さんの演奏するブラスはハッピー🥳だし間奏の堀崎翔さんのギターソロもハッピー🥳

 

5)閃光/[Alexandros]

作詞・作曲:川上洋平 編曲:Takashi Saze

 

19thシングル『閃光』の表題曲です。

僕は10年来の[Alexandros]のファンなので、ただ良い曲だと思って聴いていたら知らない間にインターネットミームと化していてビックリしました。

某所で「曲が良いからネタになってる」というコメントを見て(まあそういうものなのかな…)と思っています。もちろん曲が良いのは同意です。

 

それからドラムが庄村聡康の休養・勇退→リアド偉武の加入となったことで、少なからずサウンド面でも変わったところはありますね。

過去の楽曲にあった"サトヤスらしい"フレーズを感じられなくて少し寂しい気持ちはありますが、そこに否定的な感情はないです(もちろん良し悪しの話ではなく好みの話ですし、そもそもの話をしたらサトヤスも2代目ですからね)。

今後は"リアドらしさ"を出して新生[Alexandros]として頑張っていただきたいですね。

 

6)LINE LOOP/サンドリオン

作詞:やぎぬまかな 作曲:木暮栄一 編曲:田中秀和(MONACA)

 

田中さんがthe band apartのファンであることは渋谷のJK100人に聞いたら120人は知ってるぐらい有名なお話なので今更述べることもないとは思いますが、過去に『V字上昇Victory』や『Ms.Rからの新着メール』などに代表されるthe band apartリスペクト楽曲の他、様々な楽曲でそのテイストを感じるシーンがあった中で遂にthe band apartと楽曲制作をする事自体が既に"エモい"んですよね。

 

そもそも「バンアパ声優ユニットの楽曲を制作する」という話になった時点で編曲に付く人間がバンアパ声優ユニットの音楽の両方に精通しているなんてあまりに相応しすぎるし、"田中秀和"というネームバリューが無かったとしてもこれ以上ない適任だと思います。

 

田中さんは以前、バンアパのベース原昌和さんにTwitterで『感情線loop』を絶賛されて大変喜んでいましたが、今回の曲は『LINE LOOP』ですしサビ始まりの歌詞が「環状線」って…こんな伏線回収ありますか?M(MONACA)-1グランプリ2021なら優勝ですよ。まあもうMONACAにはいらっしゃいませんが……

 

 

とまあ余談は尽きないのですが、楽曲の話をしますと「女性声優が歌うバンアパ楽曲」の極みなんですよね。

荒井さんが歌えばそのままバンアパの曲として出せそうなぐらい(演奏も本人だし)の曲に、田中さんのバンアパを推しつつ女性声優の歌に合うアレンジ、文句の付けようがありません。完璧です。

 

7)キミだけのメロディ/角巻わため

作詞:saji(Hifumi,inc.)、おぐらあすか(Hifumi,inc.) 作曲:彦田元気(Hifumi,inc.) 編曲:彦田元気(Hifumi,inc.)

 

ホロライブ4期生角巻わための2ndシングル『キミだけのメロディ』の表題曲です。

 

特に角巻わためさんを推しているわけではないのですが、どことなく(僕が個人的に好きな)2000年代邦楽ロックの香りを感じたので今回選ばせていただきました。

ギターのバッキングの構成・フレーズとか、裏で鳴ってるピアノとか、歌詞の雰囲気とか色々な要素が組み合わさった結果なんですかね。

正直自分でもよく分かりませんが、とにかく好きです。

 

ちなみに作編曲の彦田元気さんについて詳しく存じ上げなかったので調べていたところ、『Wake Up, Girls!』で林田藍里(CV:永野愛理)のキャラクターソング『Party! Party!』の作曲をされていた方とのことで、なるほど…となりました。

 

8)3時12分/TAKU INOUE & 星街すいせい

作詞・作曲・編曲:TAKU INOUE

 

TAKU INOUEのソロプロジェクト第一弾として配信された楽曲です(1stアルバム『ALIENS EP』にも収録)。

 

イノタクさんと言えばブチアゲナンバーの印象も強いですが、ミドルテンポでもシンセはバキバキにカッコいいしリズムも気持ち良いし、純粋にトラックメイカーとして強いんだな…と改めて感じさせられました。

 

それにしても星街すいせいさん、お歌が上手いですね…(当たり前)

 

9)ウラノミト/月ノ美兎

作詞:只野菜摘 作曲・編曲:広川恵一(MONACA)

 

にじさんじ月ノ美兎の1stアルバム『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』のリード曲です。

 

広川恵一の変態要素をふんだんに詰め込んだ最高に気持ち悪い曲(最高級の褒め言葉)です。

Jewelry Wonderland』などの変態広川楽曲が好きな人にとってはたまらないですよね。

 

さて、意図せずしてVTuber関連の楽曲が続いたので、ここで少しだけVTuberの話をします。

 

僕はVTuberは好きでもないし、嫌いでもないという風に思っています。

実は以前はどちらかというと好き寄りの立ち位置だったのですが、僕がよく見ていた某ゲ○○部が色々あって活動を終了して以降、一定の距離を保つようにしています。

 

ただこの数年でVTuberというコンテンツが一つの"遊び場"として成立するようになってきたと同時に、VTuberに対する"壁"みたいなものもどんどん無くなっていると思っています。

(ひと昔前のニコニコ動画が担っていた役割に近いのかな)

 

今回挙げた楽曲もその影響を少なからず受けていると思いますが、この異質な楽曲をも受け止められる「月ノ美兎」という存在は、最早ひとつの「コンテンツ」もしくは「カルチャー」と呼んでも差し支えないのではと思います。

 

10)食べた愛/aiko

作詞・作曲:AIKO 編曲:トオミヨウ

 

aikoの41th(←41th!?)シングル『食べた愛/あたしたち』の表題曲です。

 

aiko節」とも呼ばれるメロディラインと歌詞はどちらも素晴らしく表現されていますし、いつまでも聴いていられるような心地良いアレンジに、サビ前の盛り上げなど曲の展開作りも加わって何回でも聴けてしまう楽曲です。

 

自信を持ってオススメしますので、もしまだ聴いていない人がいたら絶対に聞いてください。

 

というわけで以上が今年の10曲となります。

 

今年は環境の変化もあり忙しい1年だったのですが、こうして振り返ってみると意外といろんな音楽に触れていたな〜と思いました。

来年も素敵な音楽にたくさん出会えると嬉しいですね。

 

それでは皆さん、良いお年を!

さようなら〜

【お知らせ】ニコニコユーザーブロマガの一部記事を本ブログへ移転させました。

皆さんこんにちは。

 

なんと2021年初投稿です。

多忙な日々が続きブログを書くことに時間を割けずにいたので、こんなことになってしまいました。

もしこんな更新頻度でも楽しみにしていた方がいらっしゃったら、本当に申し訳ない気持ちです。

 

さて、今回の本題ですが、僕は2017年1月からニコニコのユーザーブロマガ機能を利用して記事を投稿していました。

2018年11月に音楽に関する話題を投稿する場所としてこのブログを開設して以降は、ブロマガ機能は別の話題を投稿する場所として並行運用しつつ、過去の記事に関してはアーカイブの役割を果たすためにそのままにしてありました。

 

しかし2021年10月7日をもってユーザーブロマガ機能が終了する予定とのことで、過去の記事が見られなくなってしまう可能性が非常に高くなりました。

その中には多くの方に閲覧されている記事もあり、イベントで出会った方に「記事、読んだことありますよ」と言われた経験もありました。

そんな記事をそのまま消してしまうのは非常に勿体ないと感じたため、主に音楽関連の記事について本ブログへと移転させることにしました。

 

※内容に関しては記事執筆当時のままです。

誤りがある、リンクが正しく機能していない等の可能性がありますので、もし何か発見された場合はコメントもしくはTwitter(@aPnKdMyN)までご連絡ください。

 

また、今回移転されていない記事(主にポケモン関連)に関しましては、別ブログに移転予定ですのでしばらくお待ちください。

 

今後もこちらのブログは音楽関連の記事を投稿する場所として利用する予定ですので、何卒よろしくお願いいたします。

今年の10曲(2020年編)

お久しぶりです。

前回の記事で「毎回お久しぶりですって挨拶してる」って話をしたんですが、またお久しぶりになってしまいました。

「このネタで記事を書こう」と思いながら1週間ほど過ごしているうちにタイミングを逃したような気がして結局書かずじまい、というのを繰り返して気付いたら年末になっていました。時の流れは速いもんですね。

 

さて、そんなわけで年末恒例の今年の10曲を紹介していきたいと思います。

選定対象は2020年に初めて音源が解禁された曲(CD発売・各種サイトもしくはアプリでの配信等)、それ以外の条件は特になしとなっています。

紹介はだいたいの時系列順になっています(多分)ので、それを踏まえて読んでいただけると幸いです。

 

それでは早速紹介していきたいと思います!

 


 1)Well Wishing Word/水瀬いのり

作詞・作曲・編曲:栁舘周平

 

水瀬いのりの8thシングル『ココロソマリ』の3曲目に収録されている曲です。

明るくポップな曲調+水瀬さんのかわいい歌声で前向きな印象を受けるのに対して、歌詞に注目すると「バイバイ」が繰り返され切なさが残る、そんな真逆の感情が掛け合わさることがこの曲の良さに繋がっていると思います。

 

この曲の作詞・作曲・編曲を担当されている栁舘周平さんは2020年だけでも水瀬いのり『クリスタライズ』や八月のシンデレラナイン『摩擦主義』、Argonavis from BanG Dream!『Starry Line』『What-if Wonderland!』など多くの楽曲に携わっており、今年最も注目されたアニソン作家と言っても過言ではないかもしれません。来年以降の活躍にも期待ですね。

 

2)キラメキライダー☆/hololive IDOL PROJECT

作詞:辻純更 作曲・編曲:石濱翔(MONACA)

 

VTuber事務所ホロライブの公式楽曲として配信されている曲です。

石濱さんといえば『アイカツ』シリーズを始めとしたいわゆる「集合曲」をたくさん書かれていますが、特にピアノ+ストリングスのドラマチックさと生バンドの爽やかさが共存しているような曲が印象的です。

この曲もそんな例に漏れずドラマチックで爽やかな曲で「らしさ」が滲み出ていると思いました。

あとサビ前(キラメキライ"ダー☆")で鳴るコード、石濱さんが好きな人でここ好きじゃない人はいないと思います。冗談抜きで。

 

 

ちなみに僕はホロライブに全く詳しくないのですが、推してる人が聴くとまた特別な感情になれるんでしょうね……

 

3)好きだよ、好き。/DIALOGUE+

作詞・作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN) 編曲:佐藤純一(fhána)

 

声優ユニットDIALOGUE+のミニアルバム『DREAMY-LOGUE』の2曲目に収録されている曲です。

田淵智也さんの提供曲といえばアゲアゲでコールモリモリ!盛り上がる!みたいな曲が「田淵っぽい」と評されることが多い印象があります(もちろんそれはそれで良い)が、僕は逆にこういうしっとりした曲の方が「田淵っぽい」と思っています。

 

個人的に一番「田淵っぽさ」を感じるポイントは「メロディ」で、それで言うとこの曲はUNISON SQUARE GARDENにあってもおかしくないと思います。

ただ歌詞に関してはきっとユニゾンでは出てこないでしょう(もし斎藤宏介が「♪好きだよ、好き。」なんて歌い出したら事件ですよ)。

 

つまりこの曲はDIALOGUE+というユニットのために作られていて、彼女たちが歌うことに意味があるのがこの『好きだよ、好き。』という楽曲なんだと思います。

 

4)ゴールデンスパイス/GEMS COMPANY

作詞:辻純更 作曲・編曲:瀬尾祥太郎(MONACA)

 

アイドルグループGEMS COMPANYのメジャーデビューアルバム『precious stones』の11曲目に収録されている曲です。

瀬尾さんは昨年の10曲で選んだ『形而境界のモノローグ』などGEMS COMPANYに多くの楽曲を提供されており「ジェムカンといえば瀬尾さん」の構図が出来上がりつつあります。

この曲はディスコ調のアイドルソングで、同じくMONACA田中秀和さんが作編曲の『オリジナルスター☆彡』を想起させるところもありますが、3:28辺り~の間奏→Bメロに戻る箇所など瀬尾さんのカラーもしっかり出ていて流石といった感じです。

 

2020年は暗いニュースが多い1年だったと思いますが、こんな年にこんな底抜けて明るい楽曲が生まれたのは本当に凄いですね。

 

5)アンチテーゼ/夏川椎菜

作詞・作曲・編曲:すりぃ

 

夏川椎菜の4thシングル『アンチテーゼ』の表題曲です。

恐らく2020年下半期で一番聴いた曲はこれですね。

 

昨年の10曲の記事でも「アーティストとしての方向性がバッチリ定まっている」という話を書いたんですが、この曲もぶれずに貫き通しているのが良いんですよね。

 

あとイントロからマイナーで来てサビでメジャーに転調するのがすごく好きです。

これ自体は特別珍しい手法というわけでもないんですが、ここからサビだぞ!と明示してくれた上でサビでドカンと来るのが良いですね。

ちなみに作詞・作曲・編曲を担当されたすりぃさんは元々ボカロPとして活動されていた方で、この曲がメジャー初書き下ろしだそうです。

 

6)1・2・3/西川くんとキリショー

作詞・作曲:まふまふ 編曲:まふまふ、田中秀和(MONACA)

 

西川貴教さんと鬼龍院翔さんのユニット、西川くんとキリショーによるアニメ『ポケットモンスター』のOP曲です。

原曲はAfter the Rain(そらるさんとまふまふさんのユニット)の歌唱で、こちらのverは第32話から歌唱が交代するのに合わせて新しく編曲されたものになります。

原曲と比較するとロックテイストが強くなっていて、特にサビの裏で鳴っているギターがかっこよくて思わず歌いたくなってしまいます。

 

そして僕にとって何より嬉しかったのが田中秀和さんが参加していることです。

僕が田中秀和さんのことを大好きなのは過去の記事にもある通りで言わずもがな的なところはありますが、同時にポケットモンスターというコンテンツもとても好きなんですよね。

「人生で1番プレイしたゲームは何?」と問われたら即答で「ポケモン」と答えるぐらいにはプレイしていますし、カードやアニメ、映画もそれなりに追っかけています。

そんな大好きなコンテンツに好きなクリエイターが携わることの喜びの大きさと言ったら、もう語り尽くせません。ただひたすら感謝ですね……

 

7)アカシア/BUMP OF CHICKEN

作詞・作曲:藤原基央 編曲:BUMP OF CHICKEN

 

BUMP OF CHICKENの25thシングル『アカシア/Gravity』の表題曲で、『ポケットモンスタースペシャルミュージックビデオの『GOTCHA!』のテーマソングになっています。

 

そうです、またポケモンです。

先ほど書いたので一旦ポケモンの話は置いておくとしてBUMP OF CHICKENの話をすると、僕が初めて好きになった「アーティスト」ってBUMPなんですよね。

きっかけは中学生の頃友人に「めっちゃ良いよ」と勧められた、というごく普通のエピソードですが、初めて聴いた時の衝撃は今でもよく覚えています。

それまで音楽に対して特に何とも思わず「聞く」だけだったのが積極的に音楽を「聴く」方向に変わっていったのは、BUMPのおかげと言っても過言ではないのです。

 

しかし近年リリースされた曲に関しては「好きな曲はあるものの、以前ほどの熱量で聴き込む曲は少なくなってきたなぁ」と思っていました。

昔は全曲好きなアルバムばかりだったのに、近年だと1アルバムで好きな曲は3,4曲程度。

それはBUMPが変わったのか?それとも自分が変わったのか?どちらなのかは分かりませんでしたが、何となくそういうもんなんだろうと思いながら過ごしていました。

 

そんな中で発表されたBUMP×ポケモンのコラボ、初めて映像を見たとき比喩ではなくガチで泣きました。


【Official】Pokémon Special Music Video 「GOTCHA!」 | BUMP OF CHICKEN - Acacia

この映像の素晴らしさも語りたいところではありますが、そこまで語っていたら本当にキリがなくなってしまうので今回は割愛ということで。

 

曲についてですが、冒頭のアルペジオから始まってAメロ、Bメロにかけては「BUMPらしさ」を感じるところにサビの転調で一気に世界が開けるような感覚になれるのが良いですね。

そして歌詞です。

BUMPの歌詞と言えば「僕」と「君」の関係性が描かれる印象が強く、この曲もそのうちのひとつなのですが、この曲の「僕」と「君」は「トレーナー」と「ポケモン」と捉えることもできます。

前述の『1・2・3』ではポケモンを強く意識したワードが散りばめられていましたが、この曲にはそういったワードは入っていません。

にも関わらずどこかポケモンを感じられるというのが、BUMPと他の作品が交わる時の彼らなりの距離感なんだと思います。

 

今年はいろいろありましたが、根本の部分は昔から変わっていなかったことに気付けたのが良かったです。

 

8)弥生町ロンリープラネット/UNISON SQUARE GARDEN

 作詞・作曲:田淵智也 編曲:UNISON SQUARE GARDEN

 

UNISON SQUARE GARDENの8thアルバム『Patrick Vegee』の9曲目に収録されている曲です。

このアルバムがすごく良くてどれも10曲に選んでもいいぐらいではあったのですが、悩んだ結果これにしました。

 

『Patrick Vegee』というアルバムは曲同士の繋がりを特に強く意識した作品なのですが、『世界はファンシー』の最後の歌詞を「Fancy is lonely.」を受けて始まり、この曲の最後の歌詞「そして僕らの春が来る」で『春が来てぼくら』へ繋ぐような構成になっています。

このような仕掛けは他にもいくつかありますが、前後両方の曲と明確に関係性を持っているのはこの曲ぐらいなので重要な立ち位置を占めているようにも思えます。

 

曲調やサウンドとしては『夕凪、アンサンブル』の正統進化系という印象で、インディーズ~メジャーデビュー直後ぐらいの雰囲気を残しつつ16年目の懐の深さみたいなものも感じることができるのは長く追ってきた人間としては感慨深いですね。

 

9)First Step/長瀬麻奈(神田沙也加)

作詞:PA-NON 作曲・編曲:田中秀和(MONACA)

 

IDOLY PRIDEというコンテンツの曲です。

CD発売は来年3月ですが、各種サブスク・配信サービスなどでフルが既に解禁済みなのでOKということで。

 

 

2番Bメロからサビに行かないのも含めてウマ娘キャラクターソング『Silent Star』に近いものを感じますし、サビの前半の静かな感じから後半で大きく動き始める展開はWake Up,Girls!Beyond the Bottom』を思い出します。

また曲全体を通して美しいストリングスが鳴っているのも印象的ですが、この曲のストリングスアレンジを担当しているTansaさんは田中秀和さんの楽曲が大好きとのことで、"愛"を感じますね。

 

10)オレンジタイム/輿水幸子(竹達彩奈)、白坂小梅(桜咲千依)、星輝子(松田颯水)

オレンジタイム (M@STER VERSION)

オレンジタイム (M@STER VERSION)

  • provided courtesy of iTunes

 作詞・作曲・編曲:広川恵一(MONACA)

 

アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージのイベント楽曲で、CDとしては『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER GOLD RUSH!05オレンジタイム』に収録されています。

 

一言で言ってしまうと「広川さんらしい曲」です。

レトロなサウンドにちょっと捻くれたポップさ、これこそ広川曲の真骨頂といっても過言ではないですね。

2番の展開がとてもかっこいいので、もしフルサイズで聴いたことない方が居るなら是非聴いてほしいです。

(サブスクにないのが残念です。アイドルマスターさん、何とかなりませんか?)

 


というわけで以上を「今年の10曲」とさせていただきます。

 

2020年は今までの日常が大きく変わり、音楽に触れる機会も場所も大きく減ってしまいました。

2021年は果たしてどんな世界になっていくのか?今まで以上に想像はつきませんが、来年の年末もこんな風に好きな音楽を語れるような未来であってほしいと願いながらこの記事と2020年の締めとさせていただきたいと思います。

また来年もよろしくお願いします。

 

それでは~