鹿乃『yuanfen』というアルバムの素晴らしさを語りたい。
皆さんお久しぶりです。
毎回「お久しぶり」って言ってる気がしますが、それもそのはずで今回なんと2020年初めての更新です。
まあこのブログに更新頻度を期待している人なんていないと思うので、今後もマイペースに更新していきたいと思っています。
前置きはこのぐらいにして本題に入ります。
今回は鹿乃さんのアルバム『yuanfen』について語っていきたいと思います。
このアルバムは僕が大ファンである作曲家の田中秀和さんがサウンドプロデュースしているということで「これは要チェックだ!」と思っていました。
田中さんは過去にも鹿乃さんに楽曲を提供しているんですが、その中でも『Linaria Girl』という曲が僕は大好きで、そういう意味でも非常に期待値は高かったです。
で、いざCDを購入して聴いてみたらその期待値を軽々と超える素晴らしい仕上がりで、「この感想を共有せずにはいられない!」と思い記事を書くことにしたわけです。
そこで1曲目から順番に感想を述べていきたいんですが、Twitterのフォロワーさんがこのアルバムに関してとても素晴らしい記事を書かれていまして、それがこちら。
letia-musiclover.hatenablog.com
この記事の内容も踏まえて被らないよう(ダジャレじゃないよ)心掛けながら述べていこうと思いますので、よろしくお願いします。
1.午前0時の無力な神様 編曲:Aire
アルバムのリード曲で、発売前にMVが公開されていたので曲自体は事前に聴くことができました。
田中さんとAireさんの組み合わせは鹿乃さんの『CAFUNÉ』と同じで、今作が2度目ですね。
Aireさんは田中秀和限界オタク(鹿乃さんの証言)なのですが、この曲の編曲にもそれが出てるなぁと思っていて。
自他共に認めざるを得ない田中秀和限界オタクなAireさん(午前0時の無力な神様の編曲担)には負けちゃいますが、自覚あり田中秀和オタクな鹿乃も自分でアルバム買って鬼リピします😡😡😡3/4発売「yuanfen」よろしくお願いします。楽曲の感想、アルバムの感想は #yuanfen #鹿乃 をつけて是非呟いてね!
— 鹿乃@3/29VRライブ🧸 (@kano_2525) 2020年3月3日
どういうことかというと、Aireさんの編曲が「自分のカラーも出しつつちゃんと田中さんっぽさが感じられる」絶妙なバランスで成り立ってるんですよね。
これは「限界オタク」と言われるほどに田中さんのことを好きで、なおかつ理解しているAireさんだからこそできる編曲だと思います。
田中さんがそこまで見越して編曲を依頼したのかは分かりませんが、少なくとも僕はこの形で世に出てくれて本当に良かったと思います。
個人的に好きなのは2Bから間奏のギターソロに入った後、コーラスが重なってきて「♪Uh~」から「♪愛おしくて」、そしてサビに繋がっていく一連の流れ。美しすぎる。
2.光れ 編曲:Nor
NorさんらしいバキバキのFuture Bassサウンドがかっこいいです。
田中さん含め8人のアレンジャーが編曲で参加しているのがこのアルバムの特徴のひとつで、聞き方としても「色んなアレンジャーのアレンジの違いを楽しむ」というのがあると思いますが、この曲は特にアレンジャーのカラーが強く出ている印象があります。
あと印象的なのはサビの「♪精一杯輝いて 大丈夫伝えよう」のメロディ。
鹿乃さんの歌い方も相まってキュッとさせられてしまいます。
ここで前2曲とは雰囲気がガラッと変わります。
『Linaria Girl』的なブラジル要素を含みつつも、マイナー調の暗さ・切なさ・かっこよさみたいなものが感じられますね。
特に2番の「♪あたし今日も あなたの友達」のダークさを帯びた歌からの間奏へ繋がっていくところが本当にすごい。
ていうか間奏おかしいでしょ。バグ?
入りのベースがかっこよすぎるし、かと思ったらいきなりいかつい変拍子がやってくるし……とにかく凄まじい。でもめちゃくちゃかっこいい。
曲の終わり、メジャーコード(EbM7かな?)に行ったところで「最後だけは明るく終わるのか?」と思ったら見事に裏切られて「やられた~~~!!!」と声が出ました。
M4.KILIG 編曲:ハヤシベトモノリ
「KILIG」とは「お腹の中に蝶が舞うようなロマンチックな気持ち」という意味のタガログ語らしいです。
イントロのレトロなブラスの音が印象的だなぁ~と思っていたらKawaii Future bass的な音作りになったり、サビではギターがギャンギャンに鳴っていたり、とにかくいろんな音が鳴っているんですがそれを1曲に纏め上げているのがすごいなぁと思います。
最後のサビ2回し目「♪元には戻れない」でコードが泣かせに来るのめっちゃいいですね…。
ちなみに記事内で曲について書く時はその曲を1曲ループしながら書いているんですが、この曲はループがあまりに自然に繋がるので無限に聴いていられるような気分になりますね。
初聴イントロの段階で「あ、この曲好きかも」と思ったのがこの曲。
優しいバラードかと思ったらドラムが急に激しくなってちょっとびっくりしましたが、僕にはその激しさが感情の起伏を表しているようにも聴こえました。
あと、鹿乃さんの感情が伝わってくるような歌い方は他の曲でも何度も登場していて鹿乃さんの歌の良いところだと勝手に思っているのですが、この曲は特に上手くマッチしている気がします。中でもラスサビは印象的ですね。
「♪ずっと ずっと ずっと ずっと」のところ、裏のベースが気持ち悪くて気持ちいい(語彙)
6.漫ろ雨 編曲:曽我淳一
編曲の曽我淳一さんは「トルネード竜巻」というバンド(現在は活動休止中)のキーボード担当で、現在はライブサポートやレコーディングなど幅広く音楽のお仕事をされている方です。
更に田中さんは「トルネード竜巻」のファンである、というのも知っているとまた違う面白さが見つかりますよね。
それはさておき、僕が「このアルバムで一番好きな曲は?」と聞かれたら恐らくこれを挙げると思います。
理由としては「僕が元々好きな物憂げなテイストを持った邦楽ロックに近い香りを感じたから」というのが大きいかもしれません。
コード的にも動きの少ないAメロ、少し動き出したBメロ、そして爆発するサビという流れが本当に良すぎる……もっと言うとこの曲に「漫ろ雨」というタイトルはドンピシャすぎるし、歌詞の世界観もめちゃくちゃ好みで……全てが好きです。最高。
そしてこれは完全なる余談ですが、曽我淳一さんはTHE BACK HORNやNICO Touches the Walls(どちらも好きなバンド)にも携わっていると知って「そういう接点もあるのか!」ととても驚きました……。こういう接点を見つけた瞬間がオタクやってて一番楽しい瞬間です。
7.おかえり 編曲:Oliver Good(MONACA)
底抜けに明るいサウンドが印象的な曲です。
編曲はMONACAの新進気鋭Oliver Goodさんで、河野万里奈『MARINARING』でも感じましたが本当に心地よい編曲をしてくれる人です。まさにGood。
でもただずっと明るいままで終わるんじゃなくて、最後の最後「♪さようなら またね」だけサウンドも歌詞も切なくなるのが泣かせに来てるなぁって感じです。
Oliver Goodさん、個人的にはとても注目しているのでこれからガンガン曲を提供してほしい。
8.罰と罰 編曲:佐高陵平(Hifumi,inc.)
このアルバムの中で一番ヤバい曲。
初聴のイントロの段階で「あ、今からヤバいことが始まるな」と感じてしまいました。
編曲の佐高陵平さんはy0c1e名義でも活動されていて、有名どころだとアニメ『ブレンド・S』のOP『ぼなぺてぃーと♡S』などの作品があります。
僕もその辺の知識は多少あったんですが、その中でもこんな尖った曲が来るとは思わなくてびっくりしました。
今回の9曲の中でこの曲は特に異質な印象を受けますが、鹿乃さんの歌い方が妖しくダークで曲調と合ってるんですよね。この化学反応を魅せるためにこの編曲にしたんだとしたら佐高さんがすごすぎる。
いや、ほんとすごすぎてこれ以上書けることがないんですよ…
9.エンディングノート 編曲:sugarbeans
アルバムの最後を飾るにふさわしい名曲ですね。
sugarbeansさんは田中さんの楽曲に頻繁に携わっている方なのでそんな信頼関係もあるんでしょうね。
個人的にはピアノが映える曲は好きなのでこの曲も好きです(小学生並みの感想)。
実はこの曲に関してどうしても語りたかったことがあります。
タイトルにもなっている「エンディングノート」というのは「自分の人生の終わり、死後に向けて希望を書き記したノート」のことで、この曲の底には「死」があるんですよ。
このインタビュー内で鹿乃さんは以下のように語っています。
そこから、「エンディングノートということは、本当にみんなへの気持ちを書くものになるよなぁ。そのとき、自分はどんな歌を歌いたいだろう?」と考えていたら、シンプルに「ありがとう」と伝えたいという気持ちになりました。
言葉の通り、サビで繰り返し「ありがとう」と歌われていますし、曲調も重苦しさというよりは前向きな明るさを感じますよね。
その一方で田中さんは以下のように語っています。
実はこのレコーディング中は、僕らの間で、「死」というものへの気持ちが共有できている時期だったんです。それは、レコーディングの現場では言葉としては出なかったんですが、「死」というものに対する身近さや、「僕らにもいつそれが訪れるかわからない」、だからこそ「今何を伝えたいのか?」という思いのようなものが、かかわってくれた方々全員で共有できていたように思います。
僕もこの文章が意味することが理解できるような気がしているんですよね。
「死」というものは思ったよりはるかに身近にあって、昨日まで元気だった人が突然亡くなることもあります。
そんな中でこの曲が覚悟を持って世に出されたことで、救われる人間はきっとたくさんいるはずです。
もちろん僕もそのうちの1人なので、「この曲をずっと大切にしていきたい」と思っています。
ここまで全曲感想を述べてきましたが、最後にアルバム全体を通した感想を述べてこの記事を締めたいと思います。
まず、このアルバムは「作詞:鹿乃」と「作曲:田中秀和」が2本の大きな軸になっていると思っていて。
その中で携わるアレンジャーが各々の個性を出した結果、バラエティーに富みつつも纏まりがあるんですよね。
僕は「アルバム」というのは「音楽だけではなくて、CDそのものとかジャケットとか歌詞カードとか、そういうのも全部ひっくるめてひとつの作品」だと思っているんですが、この『yuanfen』というアルバムはその点でも非常に満足できる作品でした。
今はサブスクで気軽に音楽が聴ける時代ですが、そんな時代だからこそCDを買うことに意味が感じられるのはとても素敵なことだと思います。
アルバムタイトル『yuanfen』には「縁、ゆかり。運命の糸で繋がれた仲。」という意味があるそうですが、僕にとってはこのアルバムに出会えたことこそ「縁」ですし、いろいろなことに感謝しないといけないなぁと思いました。
というわけで今回の記事はこれで終わりです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
今年の10曲(2019年編)
みなさんお久しぶりです。
更新頻度の低さに定評のある弊ブログですが、年末になったので今年も10曲選ぶやつをやろうと思います。
選定対象は2019年に初めて音源が解禁された曲(CD発売・各種サイトもしくはアプリでの配信等)、それ以外の条件は特になしとします。
紹介順はだいたい時系列順に並べただけなので順位づけではないという点をご了承いただいた上で読んでいただけると幸いです。
それでは早速紹介に入ります!
1.土曜日のフライト/Wake Up,Girls!
今年3月で解散した声優ユニットWake Up,Girls!の最後のアルバムに収録された曲です。過去にこの記事とかこの記事でもこの曲に関しては言及していますが、敢えてもう一度お話ししたいと思います。
まず、田中秀和さんの楽曲は毎度のことながらすごく緻密に作られていて、細部にまで拘りが見られます。
サビ後に「♪土曜日のフライト」と歌われる部分が3回登場するのですが、毎回オケが微妙に変わっていて、さらに3回目の直前(3:40あたり~)に挿入されるⅠsus4→Ⅰが更に感情を引き立たせる構成にはもう「参りました」と言わざるを得ません。
そして只野菜摘さんの歌詞も解散するユニットに歌わせるには重いぐらいなのですが、そこにこの曲に携わった人たちの「覚悟」を感じるんですよね。
この曲が好きな人はその感情をずっと大切にしてほしい、そんな曲です。
2.形而境界のモノローグ/fulfill
【Official MV】「形而境界のモノローグ」Full ver.【GEMS COMPANY】
作詞・作曲・編曲:瀬尾祥太郎(MONACA)
バーチャルアイドルグループ「GEMS COMPANY」内のユニット楽曲のうちの1つにあたる楽曲です。
GEMS COMPANYの楽曲制作はMONACAが担当していて、他にもクオリティの高い楽曲が存在しているのですが、今回はこの曲を選ばせていただきました。
(他だと『JAM GEM JUMP!!!』が特に好きです)
何故この曲を選んだかといいますと、個性的な楽曲を作るMONACAのメンバーの中で「瀬尾さんの楽曲にしかない魅力ってなんだろう?」というのがこの曲でなんとなく感じられたからです。
タイトルと曲調からほのかに感じるクサさとサビの爆発力に思わず身体が動いてしまいますね。
サビの「♪たとえ現実"に"」のところのaugのオンコードでキモオタスマイル全開になった
3.ステテクレバー/夏川椎菜
夏川椎菜さん好きなんですよね(唐突な告白)。
でも当然それだけの理由で選んだわけではなくて、ちゃんと理由があるのでそれを書きたいと思います。
昨今「ある程度人気が出た女性声優はとりあえずソロデビューする」みたいな風潮あるじゃないですか。
僕はあれがすごく嫌いというか苦手で、何故かというと「人気だからCD出したら売れるだろう」という考えのもと発売されているような気がしてしまうからです。
もちろんレーベル側は商売ですから売らなきゃいけないのは分かる、でもソロデビューする以上は「声優」ではなく「アーティスト」なわけです。
「声優」としてキャラソンを歌う時にはあらかじめ用意された「キャラクター」という背景があって、それを表現する歌を歌うのが相応しいかと思います。
ただ「アーティスト」として歌う時にはそういう背景はあらかじめ用意されていなくて、それを自分で創り出すのが「アーティスト」としての活動だと思うわけです。
そんな中で昨年リリースされた夏川椎菜さんのシングル「パレイド」がすごく良かった。
声質や本人の内面といった「夏川椎菜という人間」にすごくマッチした曲で、なんとなく活動の方向性が定まったような気がしていました。
(本題から少し逸れますが本人ブログのパレイドの記事は読んでほしい)
そして今年リリースされたアルバムですが、これがまたすごく良かった。
初聴で「アーティスト」としての方向性がバッチリ定まっていて、アルバムとして完成されているなぁと感じました。
その中で特に好きだった曲を挙げるとしたら『ステテクレバー』だな、というわけで今回選ばせていただきました。
曲調はノリやすいですが歌詞は世間を少し斜めから皮肉るような内容になっていて、一言で表すなら「痛快」でしょうか。
こういう曲が歌えるのもソロ活動してきて経験したことの積み重ねからくるものだと思うので、これからも頑張ってほしいですね。
『ファーストプロット』とどっちにするかすごい悩んだけどこっちにしました。こっちもすごくいい
4.お願いマッスル/紗倉ひびき(CV:ファイルーズあい)&街雄鳴造(CV:石川界人)
作詞・作曲:サイドチェスト烏屋 作曲・編曲:シックスパック篠崎
弊ブログの読者ならばサイドチェスト烏屋=烏屋茶房 シックスパック篠崎=篠崎あやと なんて言わなくても分かってると思いますが一応書いておきます。
\はい、サイドチェストーーー!/
「今年のアニソンを1曲挙げて」と言われたらこの曲を挙げる人も多いんじゃないでしょうか。
純粋に曲としてのクオリティも高いし、そこにネタになる歌詞が合わさればこれだけのバズりを見せるのも当然の結果だと思います。
敢えて王道アニソンを挙げたのにも理由があって、僕は捻くれた曲も好きですが王道の曲ももちろん好きなんですよね。
王道の曲があるからこそ捻くれた曲が輝くという面もありますし、王道をちゃんと評価することには意味があると思うので今回選ばせていただきました。
まあ理屈をこねまわしていますが結局は「曲が好き」の一言です。
5.For you!For みい!/長谷川みい(CV:空見ゆき)
作詞・作曲・編曲:やしきん
アニメ『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』のキャラクターソングシリーズからです。
リステの曲はどれもいい曲なので聴いた方がいいらしいですよ。
2番以降の展開がBメロ→Aメロ→間奏→Dメロと進んで、そこからAメロに戻った後Bメロのフレーズを経由してサビ(Cメロ)に着地する構成の凝り具合には感動しました。
あとサビのコード進行が展開に応じて変わっていくのが好きです(これはただの性癖)。
曲全体を通してもやしきん(小林康太)らしいハチャメチャソングって感じでほんといいですね。
聴いてて改めて思いましたが「♪ミはミソ#シ EメジャーのRoot」って歌詞なんなんだよ(困惑)
6.せーので跳べって言ってんの!/本城香澄(CV:岩橋由佳)
作詞・作曲:田淵智也 編曲:伊藤翼
アニメ『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』のキャラクターソングシリーズからです(2回目)。
リステの曲はどれもいい曲なので聴いた方がいいらしいですよ(2回目)。
本当はコンテンツ縛りをかけようかと思ったんですが、この2曲をどうしても選びたすぎて縛りをかけないことにしました()
伊藤翼さんがこれらの曲について語っている記事があるのでこちらもぜひ。
最近の田淵智也さんはUNISON SQUARE GARDENでの活動にQ-MHz及び個人名義での楽曲提供にと多忙な日々を送られているかと思いますが、楽曲制作ではUNISONで曲制作する時と提供するときでチャンネルを明確に使い分けてるなぁという印象があって、その中でもこの曲が特に印象的だったので選ばせていただきました。
UNISONの楽曲では絶対「♪せーので跳べ」なんて歌わないとは思うんですが、その中で「♪どうしてもな理由があれば 心で跳べ!」と書く辺りに田淵智也さんの信念を感じます。
3:04あたり~の「♪すーはー…せーので跳べ」の裏でソロみたいに動いてるベース、マジで好き。
7.はじめてのかくめい!/DIALOGUE+
【MV full size】Debut single「はじめてのかくめい!」【DIALOGUE+】
この組み合わせは僕を殺しに来てるでしょ…。
田淵智也さんらしいキャッチーなメロディ、独特のセンスを詰め込んだ歌詞に田中秀和さんらしい巧みなコードワークが合わさって最強に見える。
「♪だけどそんなことも笑止、一度たりとて転ばないで、八回起きちゃえ!」のところなんか特にお互いやりたい放題~~~!!!!って感じで最高です。
あとはギターソロもめちゃくちゃ好きです。
堀崎翔さんは田中秀和さんの曲でもよくギターを弾いているのでaugのオンコードの上でも激熱ソロを弾きこなせるんですよね…
この曲は田淵智也さんがベースも弾いているんですが「augが出てくるときはそのトーンを弾くよう意識した」と雑誌のインタビューで語っていたというのもありますし、参加してるミュージシャンがそれぞれの個性を生かすように作ってるんだなぁというのが伝わってくるんですよね。
僕は田淵智也さんも田中秀和さんも大好きなので生きている間にこの組み合わせが実現するとは思っていなかったんですが、この1曲だけで終わるのはもったいないのでこれからもお願いします。
8.オウムアムアに幸運を/一ノ瀬志希(CV:藍原ことみ)、神谷奈緒(CV:松井恵理子)、黒埼ちとせ(CV:佐倉薫)、佐藤心(CV:花守ゆみり)、的場梨沙(CV:集貝はな)
【アイドルマスター】「オウムアムアに幸運を」(歌:一ノ瀬志希、神谷奈緒、黒埼ちとせ、佐藤心、的場梨沙)
80'sレトロフューチャーロック、一周回って新しいな…
この曲は「フィルムスコアリング」といって出来上がった映像に合わせて音楽を作る形式をとっているんですが、今回の場合はその映像が『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 8周年特別企画 Spin-off!』という作品です。
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 8周年特別企画 Spin-off!
この曲の真価はこの映像と合わさってこそだと思っていて、特に4:32~のギターソロ(ちなみにここだけは後藤貴徳さんが弾いています)の入りと車が飛び出すシーンの噛み合いは気持ちよすぎますね。
「映像のための音楽である」という劇伴的な側面もありつつ歌モノとしても聴ける、その両立が難しいと思うんですが絶妙なバランスで成り立たせている広川恵一さんのすごさ…作詞・作曲・編曲にギターベースまで弾いてるって逆に何ができないんだ…
9.MARINARING/河野万里奈
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:オリバー・グッド(MONACA)
河野万里奈さんの再デビュー2ndシングルのカップリングで、オリバー・グッド(MONACA)さんの初めての歌モノ作品です。
どんな曲を書くんだろう?とワクワクしながら聴いたんですがその名に恥じないグッドっぷりでした。
おしゃれでポップなサウンドが聴いてて心地よいですね。ブラスの入れ方にMONACAを感じる…
河野万里奈さん、オリバー・グッドさん両者のこれからの活躍にも期待する意味でも今回選ばせていただきました。
10.スノウ・グライダー/Run Girls,Run!
スノウ・グライダー short ver./ Run Girls, Run!
ランガ四季シリーズの冬編です。
石濱翔さんはKawaii的なシンセ使いがほんとに上手いのでかわいい声の人に歌わせるのにピッタリなんですよね。
そしてKawaiiだけじゃなく低音を聴かせるところもあって、そこの使い分けができるのもすごいところです。
『サクラジェラート』『秋いろツイード』『スノウ・グライダー』ときたら残りは夏のみですがどんな曲が来るのか楽しみですね。
というわけで今年の10曲を紹介してきました。
年を重ねるにつれて新しいジャンルやアーティストを掘るのが大変に感じるようになってきたんですが、精神だけでも若く保ちたいところ…
そして今回が今年最後の更新になります。
更新頻度が低いのはいつものことなので許してほしいんですが、まあ今後もゆっくり自分のペースでやっていくのでお付き合いしていただけると幸いです。
それではまた来年よろしくお願いします!
終わりだよ~
UNISON SQUARE GARDEN15周年記念ライブ「プログラム15th」に参加してきました。
お久しぶりです。
今回はタイトルにもある通り、昨日(7/27)に大阪・舞洲スポーツアイランド 太陽の広場 特設会場にて開催されたUNISON SQUARE GARDEN15周年記念ライブ「プログラム15th」に参加したので、その感想・レポを書いていきたいと思います。
今年のユニゾンは15周年ということでいろいろと関連したリリースやイベントが続いていて、このライブもそのうちのひとつです。
田淵(Ba)もブログで「たまの特別営業」と書いていた通り、今までのユニゾンの活動からはあまり考えられないような会場でのライブなので、どんな内容になるのか僕はなかなか予想がつきませんでした。
前日の予報では台風が接近しておりどうなることやら…と思いましたが、当日は晴れて無事開催になりました。よかったよかった。
僕は整理番号が良くなかった(S2)だったので急がなくてもいいや~と思い15時過ぎに会場入り。
会場は人が溢れかえっていて、屋台が出ていたこともあってお祭りのようだなぁというのが最初に抱いた感想でした。
クロークに荷物を預けたりなんやかんやしているうちに入場することになり、17時過ぎに入場。
会場ですが、後方の割には見えやすくスペースも少し余裕があったので「これは楽しめそうだな」という予感がありましたね。
開演直前になるとスクリーンにはラジオDJの方々のコメントVTRが流れ始め、トリの落合健太郎(通称オチケン)さんの映像が終わるとそのままお馴染みのSEであるイズミカワソラさんの「絵の具」がスタート。「いよいよライブが始まるぞ」という気持ちになります。
そういえばコスモスクエア→会場のシャトルバス内でオチケンさんのミニ番組?みたいなのが流れてた。内容はユニゾンの曲を流しながらお喋りって感じだったけど詳しくは忘れちゃった。まあいいか。
3人がステージに上がると会場のあちこちから歓声が上がり、たくさんの人がこの日を待ち望んでいたことを強く感じさせてくれました。
そして「絵の具」が終わり、いよいよライブの開幕です。
というわけでここからは1曲ずつ感想を書いていきたいと思います。
1.お人好しカメレオン
斎藤(Vo)が歌いだしてから状況を理解するまでに3秒ぐらいかかりました。
そして理解できた瞬間「いや、1曲目からやってくれたな」と。
この曲は2013年発売の4thアルバム「CIDER ROAD」に収録されているんですが、アルバムツアーでも披露されず、そのまま6年間1度も披露されることはなかった曲です。(一部では「お蔵入りカメレオン」とか言われてたとかなんとか)
それをこの15周年記念ライブで初披露、しかも1曲目でやるなんて予想していた人が果たして何人いたのでしょうか。
もちろん僕も予想していなかったので、初披露に立ち会えた喜びを噛み締めながら聴いていました。
次はいつやるのかな…20周年かな…
2.シャンデリア・ワルツ
斎藤の「ようこそぉ!」の声と共にドラムが鳴った瞬間「来た!」と飛び跳ねました。
ライブでの定番曲でありユニゾンが大切にしている曲でもあったので、この日にやらない訳がないという確信はありましたがいざ来るとやっぱり嬉しい。
「わからずやには見えない魔法をかけたよ」という歌詞、何度聴いても本当に大好きです。
足場が悪い中飛び跳ねてたら足場がぐちゃぐちゃになった。しょうがないね。
3.君の瞳に恋してない
シャンデリアからのこの曲で「今日は定番曲ガンガンやっていく感じだな」というのは察しました。
事前に組んでた妄想(というか願望)セトリではマイナー曲・カップリング曲もりもりだったけどそういう感じではなさそう、というところで(別にそれがダメなわけではない)。
カップリング曲に関してはBee side Sea sideのツアーもあるしそっちでやっていく感じになりそうですね。
この曲はブラスが入ってることもあり多幸感がすごい。小林康太ありがとう
ここで斎藤から「今日は長いよ~」という一言。
それを楽しみにしてきたんだよ!と思ってましたが、今振り返るとこれ4年前のfun time 724(武道館公演)と全く同じこと言ってるんですね。気付かなかった…
ちなみに武道館の映像は今Gyao!で無料で見れるので、まだ見たことない人は是非一度見てください。
4.流星のスコール
そんな言葉から続いたのはこの曲。
ここまで3/4曲が「CIDER ROAD」からということで「今日はCIDER ROADの日か?」なんて思ったりしてました。
僕は「CIDER ROAD」大好きですし、この曲がシングルでリリースされたときにはめちゃくちゃ聴いてたので当時を思いながら気持ちよくなっていました。
5.instant EGOIST
「10% roll,10% romance」のシングル初回限定盤に付属していたライブ音源(fun time holiday 6のやつ)をめちゃくちゃ聴いてたので特殊イントロで即反応してしまいました。
普段あんまりこういうことは言わないんですが、この曲の歌詞にはユニゾンのライブの在り方が描かれていると思っています。
たびたびブログやMCでも触れられる「自由に楽しんで」というメッセージであるとか、あくまで「君」と「僕」の1対1である、というスタイルであるとか、そういうものが詰め込まれているように受け取れるんですよね。
僕自身がライブ参加する時の心情はいろいろあるんですが、基本にあるのは「自分が一番楽しめるやり方で楽しむべき」というものです。
「この曲はそれを肯定してくれるような気がする」というとちょっと自意識過剰かもしれませんが、そういう解釈もできると思っています。
話はちょっと逸れましたが、この曲は一番気持ちよくノれるBPM帯なので気持ちよくノリノリしました。
間奏の2325セッションからそのまま「23:25」に繋がらないかな~と思ってましたが流石になかった。
ぼく「やっぱりCIDER ROADの日かな?」
個人的にはタイバニ3部作の中で一番聴けると嬉しい曲です。
武道館を思い出すんですけど、あの時オリオンをなぞらなかったんだよな~もしかして今日もやらないかもな~とちょっと思っていました。
最近のシングルだとこの曲が一番好き。
バチバチのキメに合わせて腕を振るのが楽しいです。周り誰もやってないけど。
そのキメもそうですが、最近のユニゾンは技術面でもどんどんレベルが上がっていて本当にすごい。
3ピースで出来ることを突き詰めつつ、これだけの会場でやれるぐらいのファンを獲得しているバンドってなかなかないと思います。
8.8月、昼中の流れ星と飛行機雲
イントロで一瞬2月(以下略)の方と勘違いしてテンション振り切りかけたけど、すぐに「まあこの時期にやるならそらこっちだわな」と冷静さを取り戻しました。
夏の野外で聴くとまた一層爽やかな気持ちになれますね。
そして書いてて気づいたけど"8"曲目だったんですねこれ。
9.オトノバ中間試験
からのセッションを挟んでこの曲。
ユニゾンのライブの楽しみの1つにセッションとかライブ用の特殊イントロみたいな「ライブでしか聴けないもの」があるんですけど、今回もかっこよかった。
曲の方は頭空っぽにして楽しめる系の曲なので頭空っぽにして踊ってました。
10.カウンターアイデンティティ
冒頭で結構歓声が沸いてたように感じたんですが、久しぶりの披露だったからですかね(調べたら4年ぶりだったらしい)(僕が聞いたのは約6年ぶり)。
まあ僕もその1人だったので「それな!\パンッ/」ってなりました(オタク特有の手叩き)
11.Catch up,latency
ここで最新シングル曲。
キーが一緒だったりサビの進行も似ていたりするのでこの曲を「センチメンタルピリオド」の正統進化系だと思っていたりするんですが、「カウンターアイデンティティ」からの流れなことも含めて「うまいこと新旧織り交ざってるな~」と思いました。僕は昔のユニゾンも今のユニゾンも好きです。
12.プログラムcontinued(15th style)
そしてユニゾンの歴史を物語るようなこの曲。
もともと2015年にリリースされた「DUGOUT ACCIDENT」に収録されていた曲を15周年に合わせて歌詞を書き換えた、という経緯があるんですが、この歌詞がいいんですよね…。
特に好きなのが2サビ前「目をこらしても わからないなら ざまみろ!」で、多分これって「春が来てぼくら」の2サビ終わりの『「わからない」って言うなら「ざまみろ」って舌を出そう』からの引用だと思うんですよ。
他にも引用っぽいところはいくつかあるんですけど(「生きてく理由」とかね)、あの曲からここを引っ張ってくるのが「なんかユニゾンらしいなぁ」というか…。
あと「今日ぐらいは祝ってくれないかな」ですね。
そんなこと言われたらお祝いしたくなるに決まってるんだよなぁ。
何気ない歌で何気ない記念日をお祝い。
そして何より大事なのはサビの歌詞は変わっていないところ。
ユニゾンはどんどん前に進んでいってるけど、根っこにある部分は変わらないんだなという安心感があります。
13.黄昏インザスパイ
これは名采配でしたね。
野外の会場ということでちょうど夕暮れが見える時間帯に合わせてこの曲を選んだ、ということだと思うんですけど、ほのかにオレンジに染まる空を背にしながら聴くこの曲はより一層心に刺さるものがありました。
14.春が来てぼくら
黄昏の段階で鈴木(Dr)がヘッドホンを付けてて、次の曲で外す様子がなかったので「同期音源がある、黄昏からの雰囲気を考えたらここは春が来てぼくらかな」と思いながら見てたら大正解でした。天才かな?
曲終わりのぼく「にしても今日は人気曲だらけだな…もしかしてその辺全部やる気か…?」
と思ってたらここでMC。
なんと2万4千人も参加していたらしい。すごすぎないか?
斎藤の「昔はめちゃくちゃ客を煽ってました」というエピソードを聞いて「そうだよな~昔は『行くぞ赤坂ぁぁぁぁ!!!!』って言ってたもんな~」とか思いながらヘラヘラしてました。
すると斎藤が「そんなインディーズ時代によくやってた曲をやります」と。
10年来のファンである僕からしたらこんな嬉しい言葉はないんですよ。
その直後、曲名を告げられた瞬間に全ての感情が吹っ飛んでいきましたけど。
15.水と雨について
このライブで僕がMVPを贈るならこれです。
何を隠そう2009年の1月、僕がUNISON SQUARE GARDENというバンドに出会うきっかけになった曲だったからです。
たまたまTVから流れてきたこの曲に衝撃を受けて即座にインターネットで検索したのがすべての始まりで、そこから10年半追いかけてきました。
ただ僕がライブに行けるようになったのは2013年からで、その頃にはインディーズ時代の曲は(一部を除いて)ほとんど披露しなくなっていました。
この曲も例外ではなくライブでの披露回数は2013年以降たった3回、しかも2015年以降は披露なしということで正直「死ぬまで生で聴けないかもしれない」と思っていました。
だから当日も「やってくれたらいいな~」なんて淡い期待を持ちつつ「どうせやらないだろうな」と半ば諦めていたところにその曲名を告げられた訳ですから、そりゃもう気が狂うほど嬉しかったです。嬉しすぎて思いっきり飛び跳ねて平手で地面を叩いてました(隣の人からめちゃくちゃ冷たい目で見られましたけど、そんなのどうでもよくなるぐらいの気持ちでした)。
当時の音源を聴くと荒さがあって勿論それはそれでめちゃくちゃかっこいいんですけど、この「水と雨について」はソリッドというか、鋭さがあったような印象を受けました。
でも後方だったせいか、周りがあんま盛り上がってないように見えたのがちょっと寂しかったです。
もしかしたら知らない人もいるかもしれませんが、そんな人はこれを機会に聴いてほしい。
水と雨について、最高だぞ。
UNISON SQUARE GARDEN - 水と雨について(PV)
正直ここで体力を使い果たしたので後半かなりしんどかったんですけど、10年半の思いをここで出し切ったことに後悔はないです。
まさしく「海岸沿い」の場所で「雨」の後、「8月」の(前日じゃないけど)直前、そしてこの記念日に披露してくれて本当にありがとう、これからもたまーにでいいからやってね。
武道館とかCITSツアーとかで聴いてたからあんまりそんな印象なかったけど、そういえば久しぶりでしたねこれ。
この曲はイントロからピアノが入っていたり曲の雰囲気的にはバラードっぽいけど実はBPMも速いし俗に言うバラードとは違うんですよね。サビでドラムがスネア全然鳴らさなくなるのが壮大さを引き立ていて特に好きです。
今回のライブでは野外の会場ということもあって、その壮大さがより一層際立っていたように聴こえました。
1サビあたりから「なんか手のひら痛いな」と思ったけどどう考えても前の曲の冒頭で地面を叩いたせいなんだよな。
17.cody beats
ユニゾンのシングル曲の中で一番やらないんじゃないか疑惑まであるこの曲、僕もライブで聴くのは初めてだったので嬉しかったです。
「お人好しカメレオン」といい「水と雨について」といいこの曲といい、ちゃんと古参ファンが喜びそうなポイントを用意してるのがつくづくニクいバンドだなぁと思いますね…。
余談ですがこの曲のMVの謎エレベーターが開くところ好き。
今なら無料で見れるから見てください(該当箇所は3:06あたり)
【期間限定フル公開】UNISON SQUARE GARDEN「cody beats」
18.10% roll,10% romance
ここら辺から怒涛の流れすぎてもう記憶が曖昧になっている…。
この曲はユニゾンの中でも指折りの高速曲なんですが足がもう限界に近かったので必死に手を振っていたような気がします。
そしてここでドラムソロ。
途中に「シュガーソングとビターステップ」と「フルカラープログラム」っぽいフレーズがあった気がする。
あと今回なんか音源使ってましたね。あれも「シュガー(略)」っぽいフレーズだった気がする。
(この辺マジで記憶が曖昧なので適当言ってるかもしれないけどお許しください)
モニターには月が徐々に満ちていく映像がサブリミナル的に映されていました。
「月繋がりでため息shooting the MOONかな」とか予想したけど外した。
19.天国と地獄
いつものライブ版イントロよりちょっと長めでしたね。
飛びたいけどもう飛べないよ…という気持ちになっていました。
なんか改めて語ることもあんまりない気がするんですが、やっぱかっこいいですねこの曲。
ロックな曲繋ぎ。
この曲を初めてライブで見たのが確かOne roll,One romanceツアーだったはずなんですけど、その時はシングルリリース直後だったこともあって正直「まだ演奏面が完成してないな」という印象でした。
でもその後ライブで何度も何度も披露される曲になって、完成度もガンガン上がっていって、この日の「fake town baby」は文句なしの出来でしたね。
特に2Aのバチバチのキメを完璧に合わせてるところはまさしく変態。
21.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
ロックな流れだったので次はこれだろうな~と思ってたら案の定。
田淵が荒ぶってるのは遠目からでも確認できました。
ライブだと間奏明け「東の空から夜な夜なドライブ」の繰り返し3回目から斎藤が上パートを歌うのがよく聞こえるのが好きです。
怒涛の流れを締めくくったのはこの曲。
イントロでの歓声がすごくてやっぱり人気曲だなあと(今更)。
盛り上がりもこの日一番だったんじゃないかと思います。
突然ですけど2Aの"アレ"すごい好きなんですよね。
「fake town baby」とかもそうですがアニメタイアップ曲にぶち込んで「俺たちはロックバンドなんだぞ」ってのを主張してるように感じています。
そしてここでMC。
「アンコールないよ」はちょっと悲しかったけど「それなら最後まで全力で楽しもう」という気持ちで前向きに捉えることにしました。
斎藤のMCで印象的だったのが「僕たちのことを好きな人たちを大切にしたい。僕はひとつだけそのやり方を知っている。それはこれからも自分のために音楽を続けること」(要約)という部分。
他の人だったら「好きな人たちのために音楽をやる」とか言いそうなところで「自分のために」と言い切れるのは、それを信念にここまでやってきたことの現れなんだと思います。僕たちファンも、そんなバンドだからこそ追いかけていきたいんですよね。
そして普段は喋らない2人のMC。
鈴木のMCで印象的だったのは「人間的にはダメな自分を2人は見捨てないでくれた」(要約)という部分。
こういう機会だからこそ言えたことなのかもしれませんが、こういう感情を持ってバンドを結成して、ここまでやってきたのが本当にすごい。きっとこの3人じゃなきゃ出来なかったことだと思いました。
最後は田淵のMC。
さんざん溜めて溜めてからの発言はほんの一言でしたが、それに全てが詰まってたと言っても過言ではないと思います。
「UNISON SQUARE GARDENっちゅうのはすげぇバンドだなぁ!今日はよく来た!またやるぞー!」
23.さわれない歌
この流れは「正解」としか言えないですね。
あのMCの直後にやる曲はこれ以外なかったと思います。
UNISON SQUARE GARDENというバンドがどういうスタンスを取っているのかというのが如実に表れている曲で、本当は歌詞を全部載せたいぐらいなんですが残念ながらそれは出来ないので各自確認してもらいたい。
「ちょうどいい温度感であれ」
これからもそうありたいですね。
24.桜のあと(all quartets lead to the?)
「今日ほんとに全部やるな」と思いました。
あと「多分次オリオンだろうな」とも思いました。
これだけ豪華なセットリスト、ユニゾンではなかなかないですよ。
2014~15年はよくライブに行っていてその頃よくやっていたので、正直もう聴けなくてもいいかな?と思っていたけどあの演奏はそんなことを感じさせないぐらいの勢いと迫力がありました。
特にここまで休みもほとんどなく歌ってきて最終盤でまだこの曲が歌える斎藤宏介という人間、本当にすごいボーカリストです。
25.オリオンをなぞる
予想通りでした。
ユニゾンが有名になる最初のきっかけの曲で、ある意味原点とも言えるこの曲なんですけど「リニアブルーを聴きながら」の項目でも触れた通り11周年の武道館ライブでは披露しなかったんですよ。
それはそれでユニゾンらしいな、と思ってたんですけど今回はお祝いムードということでやってくれたんでしょう。
やっぱりユニゾンを語るうえでこの曲は無視できないし、そういう意味でも披露してくれて良かった。
夜空の下で聴くオリオンをなぞるはまた別格だったな…
26.センチメンタルピリオド
15周年記念のラストを飾るのはデビューシングル。エモすぎる。
あのライブイントロが始まった瞬間「センチメンタルピリオドだ!!!!」と即座に気付けるぐらいにはユニゾンファンでよかった。
原点にして頂点。以上。
そして終演後には15発の花火とスクリーンでカウント、そして最後には「Thank You 15th Anniversary! 」の文字。
いやあ、ロックバンドは、楽しいなぁ。
というわけで、以上が今回の感想・レポになります。
セトリを振り返ってみるとシングル曲モリモリで新規ファンにも優しく、要所でしっかり古参ファンにも応えていく、素晴らしいセトリだったと思います。
そして何より今回痛感したのは「俺、このバンドやっぱ大好きだなぁ」ということです。
これからも最高のロックバンドでいてほしいし、そんなバンドであり続ける限り僕は追いかけていきたいと思っています。
本当にありがとう。
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「音楽好き」の人間はMusic FM問題について考えてほしい。
皆さんお久しぶりです。
さて、Twitter上でこんなツイートが拡散されて様々な反響を呼んでいます。
以下のキャンペーンに賛同をお願いします!「総務省へ: 音楽業界を守るためにMusicFMなどの違法な全音楽アプリのアクセス禁止を総務省へ求めます!」 https://t.co/pPScwo3lp7 @change_jpさんから
— セゴリータ三世 / SGRT 3rd (@SGRT_the_3rd) 2019年5月31日
これに関して僕もいろいろ思うところがあるので、これを機に自分の意見を述べておこうと思います。
・そもそもMusic FMとは?
まず「MusicFMとはなんなのか」という問題がありますが、僕は利用したことが無いので調べた範囲でお話しします。
難しい用語がいっぱい出てきて難しいのですが、簡単に言うと
・音楽ファイルがサーバーにアップロードされている
・アプリとしてはその「音楽ファイルがある場所」を紹介しているだけ
・アプリ内でストリーミング再生、ファイルのダウンロードが可能
ということみたいですね。
・なにがダメなの?
では利用するとどういう問題があるのかを考えていきましょう。
著作権法第百十九条第三項では以下のように記されています。
3 第三十条第一項に定める私的使用の目的をもつて、録音録画有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
どういうことかというと、例えば
「CD等で有償提供されている曲を」「違法アップロードされたものと知りながら」「ダウンロードすると」罰せられるよ、ということですね。
僕は法律に詳しくないので、ここで「じゃあストリーミング再生ならどうなの?」と言われると返答に窮してしまうのですが、調べた限りではセーフという解釈が多かったです。
「なあんだセーフなんだ!じゃあこれからも使うね!」
と言われたらどうしようか。
そう、どうしようもないんです。
・僕の考えたこと
前述の通り、現行法ではMusic FMの利用者を厳密に取り締まることは難しそうです。
(そもそもアウトだったとして利用者1人1人を処罰するところまで行くのは現実的ではない)
なので今回のような活動が始まったのは素晴らしいことだと思いますし、その活動について批判するつもりは一切ありません。
ただ、それで終わりにしていい問題でもないと思います。
「Music FM?違法アプリじゃん。クソだよ」と思考停止で言ってる人がいます。
「具体的にどこが違法なんですか?」と問いかけたら適切な回答ができるのか。
「アーティストに利益を還元すべきだからCD・配信を買え」と言ってる人もいます。
「じゃあ中古CD買うのはどうなんですか?」と問いかけたらどんな回答が来るのか。
何が一番大事かというと「考える」ことだと思うんですよね。
様々なサービスによって「音楽を聞く」ことに対するハードルは低くなっているように感じますが、その中でわざわざ「音楽好き」を自称するような人間はこういう問題について一度真剣に考える時間を設けてほしいのです。
「何を善として何を悪とするか」という判断基準を自分の中に定め、「これは良くないからなんとかしよう」と考える人間が増えれば、自ずと問題解決への道も近くなるのではないかと思います。
もちろん「俺は知らん、興味ない」という意見もあるでしょうし、それはそれで尊重されるべき意見ではあるんですけども。
・お金がなくても音楽は聴ける
Music FMのような無料アプリを使って音楽を聴く理由に「お金がないから」と答える人もいるかと思います(特に学生さんには多い?)。
「タダで聴けないの?じゃあ興味ないわw」と言われて音楽を聴かなくなるのは「音楽好き」の人間としては悲しいので、せめて合法で聴ける手段は紹介しておく必要がありますよね。
例えば、YouTubeにはアーティストが公式でアップしているMVがたくさんあります。
ショートバージョンになっていることもよくありますが、それがアーティスト側の「ここまでは無料でいいよ」という線引きでもあるので受け入れましょう。
それからサブスクリプションサービスの中でも無料で音楽が聴けるものもあります。
YouTube MusicやSpotifyは無料版(機能制限あり)を提供していますし、Amazon Music UnlimitedやApple Musicなどは無料お試し期間を設けています。
また、無料ではありませんが学割サービスやファミリープランで通常より安くなるサービスを行っているものもありますので、各々に合ったものを選べます。
上記のようなサービスを無料で利用していて「広告が邪魔だな」「フルで聴きたいな」と思った時、Music FMのようなアプリではなく少しお金をかけて曲・CDを購入したり、サブスクリプションの有料版に登録したりしてくれると嬉しいです。僕が。
(別に各社からお金をもらってる訳でもないただの音楽好きだけど、気持ち的にね)
・最後に
僕の考えを書き殴っただけなので、間違っている部分・支離滅裂な部分があったら申し訳ないです。
ただ僕も「音楽好き」の人間として何かしたいと思った、その部分は汲み取って頂けたら嬉しいです。
ではまた次回更新(未定)までお待ちください、それでは!
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名盤だから買ってね。
アニソンのコード進行研究 ~セカンダリードミナントとツーファイブ分解~
こんにちは。
今回は、前々からいつか語りたいと考えていたテーマを元に記事を書いていきたいと思います。
それは何かと言いますと既にタイトルに書いてあるんですが、ズバリ"セカンダリードミナントとツーファイブ分解を用いたアニソン頻出のコード進行を研究しよう"というものです。
※「ドミナントって何?」とか「ツーファイブ分解って?」とかを説明し始めるとキリがないので各自勉強していただくとして、以下はある程度理解できる前提で話を進めます。
また、文中に登場するコード進行は筆者の耳コピによるものですので、間違っている可能性もございます。
以上2点をご理解頂いた上で読んでいただければ幸いです。
さて、今回テーマにするコード進行というのが
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅴm7 Ⅰ7 | Ⅳ…
というものです。
このコード進行は近年のアニソンでは頻出となっていて、「1クールのアニメの中で少なくとも1曲はこれを使ったOP、EDがある」と言われることもあるぐらいです(真偽は確かではありません)。
まずこの進行がどういうものか見てみると、Ⅲ7がⅥm7への、Ⅰ7がⅣへのセカンダリードミナントになっていますね。
さらにⅢ7がツーファイブ分解されてⅦm7-5 Ⅲ7に、Ⅰ7がツーファイブ分解されてⅤm7 Ⅰ7になっている、と解釈できるかと思います。
実はこれ、カノン進行にセカンダリードミナントを入れた形なのです。
カノン進行は度数表記で表すと
| Ⅰ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲm | Ⅳ…
という形ですが、これのⅤとⅢmをセカンダリードミナントに置き換えてやると
| Ⅰ | Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅰ7 | Ⅳ…
になります(便宜上ここで7thを加えています)。
このセカンダリードミナントを前述の通りツーファイブ分解してやると
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅴm7 Ⅰ7 | Ⅳ…
の形になりますね。
つまりこの進行は、広義のカノン進行と呼ぶこともできる訳です。
更にこのコード進行、ジャズの世界でも有名なのです。
Charlie Parkerというアーティストの「Confirmation」という楽曲で、以下のような進行が登場します。
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 (Ⅱ7) | Ⅴm7 Ⅰ7 | Ⅳ7…
Ⅴm7の前にはⅡ7が入ったり入らなかったりするらしいです。
あとⅣに7thが付いていたりはしますが、本質的には同じですね。
なので、この進行のことを曲名から取って「Confirmation(略してコンファメとも)進行」と呼ぶこともあります。
また、アニソンの中でこの進行を用いた有名曲の名を取って「ハレ晴レ進行」「M@STERPIECE(略してマスピとも)進行」という呼び名もあります。
このように頻出なのにも関わらず様々な呼び方をされているので、ちょっとめんどくさかったりします。
様々な場面で登場するからこそ様々な呼び方が生まれてしまったとも考えられますが、これに統一した名前を付けることは非常に有意義な気がします。
ということで、暫定的にこのブログでは以降「Ⅱ-Ⅴ分解型カノン進行」と呼んでみたい
と思います(そのまんまじゃねぇか)(名は体を表すと言ってほしい)(「この曲の進行は?」って聞かれたとき「ああ、それはⅡ-Ⅴ分解型カノン進行ですね」って答えたらかっこよくね?)(オタク特有の早口)。
では無事(?)名前も決定したところで、つづいてアニソンでの実用例を見ていきたいと思います。
初級編
サビ(key=F)
| F | Em7-5 A7 | Dm7 | Cm7 F7 |
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅴm7 Ⅰ7 |
| Bb | Am7 Dm7 | Ab | C |
| Ⅳ | Ⅲm7 Ⅵm7 | bⅢ | Ⅴ |
| F | Em7-5 A7 | Dm7 | Cm7 F7 |
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅴm7 Ⅰ7 |
| Bb | Am7 Dm7 | Gm7 | Csus4 C |
| Ⅳ | Ⅲm7 Ⅵm7 | Ⅱm7 | Ⅴsus4 Ⅴ |
前述の通りⅡ-Ⅴ分解型カノン進行を用いた代表的なアニソンの1つです。
Ⅳ以降の流れですが、後半はⅢm7から強進行を連続させただけでわかりやすいので割愛するとして、前半では7小節目にAbというコード(度数表記だとbⅢ)が登場しますね。
これは同主調のFmからの借用と捉えるのが自然かと思います。
独特の浮遊感があって耳に残るようになっています。
・M@STERPIECE(作曲:神前暁(MONACA) 編曲:神前暁(MONACA)・高田龍一(MONACA))
THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2015 Live Blu-ray ダイジェスト映像【第3弾】
29:48あたりから。
サビ(動画内で流れるのはラスサビです、keyは半音上がってFになってますがここでは1,2サビのkey=Eで書きました)
| E | D#m7-5 G#7 | C#m7 | Bm7 E7 |
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅴm7 Ⅰ7 |
| AM7 | G#m7 C#7 | F#m7 E/G# A AM7 | D7 B |
| ⅣM7 | Ⅲm7 Ⅵ7 | Ⅱm7 Ⅰ/Ⅲ Ⅳ ⅣM7 | bⅦ7 Ⅴ |
| E | D#m7-5 G#7 | C#m7 | Bm7 E7 |
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅴm7 Ⅰ7 |
| AM7 | G#m7 C#7 | F#m7 E/G# A B | C D |
| ⅣM7 | Ⅲm7 Ⅵ7 | Ⅱm7 Ⅰ/Ⅲ Ⅳ Ⅴ | bⅥ bⅦ |
| E |
| Ⅰ |
こちらもⅡ-Ⅴ分解型カノン進行を用いた代表的なアニソンの1つです。
ハレ晴レユカイはBPM172だったのに対してこちらはBPM128となっているんですが、速くても遅くても使いやすい進行なのもポイントですね。
Ⅳ以降の流れはⅢm7→Ⅵ7のツーファイブでⅡm7に着地、その後Ⅰ/Ⅲ→Ⅳに上昇までは共通していて、前半ではⅤの前にbⅦ7が入っています。
これは同主調(Em)の平行調(G)からの借用ですが、このように借用を交えることでよくあるコード進行に彩りを加えるのがポイントですね。
後半はⅡm7→Ⅰ/Ⅲ→ⅣのあとⅤ→bⅥ→bⅦ→Ⅰまで上昇します。
bⅥ、bⅦも同主調(Em)の平行調(G)からの借用です、bⅥ→
bⅦ→Ⅰの進行も頻出ですね。
2020/7/13 追記
https://twitter.com/monaca_kosaki/status/1282518330885025792?s=21
Ⅶm7-5じゃなくてⅦm7でした。出直してきます。
中級編
・Catch the Moment(作曲:田淵智也 編曲:江口亮)
LiSA 『Catch the Moment』-Music Clip RADIO EDIT ver.-
サビ(key=G)
| G | % | B7/F# | % | Em | % | Dm7 | G |
| Ⅰ | % | Ⅲ7/Ⅶ | % | Ⅵm | % | Ⅴm7 | Ⅰ |
| C | C Cm | Bm7 | Bm7 Bb | Am7 | A7/C# | D | D |
| Ⅳ | Ⅳ Ⅳm | Ⅲm7 | Ⅲm7 bⅢ | Ⅱm7 | Ⅱ7/#Ⅳ | Ⅴ | Ⅴ |
| G | % | F#m7-5 | B7 | Em7 | Em7 D#m7 | Dm7 | G |
| Ⅰ | % | Ⅶm7-5 | Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅵm7 bⅥm7 | Ⅴm7 | Ⅰ |
| F#m7-5 B7 | % | Em7 C#m7-5 | % | Am7 | G/B | F D | % |
| Ⅶm7-5 Ⅲ7 | % | Ⅵm7 #Ⅳm7-5 | % | Ⅱm7 | Ⅰ/Ⅲ | bⅦ Ⅴ | % |
| Em7 |
| Ⅵm7 |
これは前半と後半で進行が変わっていて、その後半にⅡ-Ⅴ分解型カノン進行が用いられているパターンです。
前半もⅢ7をツーファイブ分解してないだけで似たような進行ですが、他にもⅠ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲmのような純カノン進行は当然としてⅠ→Ⅰaug→Ⅰ6→Ⅰ7のようなよくあるクリシェに対してもⅡ-Ⅴ分解型カノン進行でリハモされることがあります。
・ギミー!レボリューション(作曲:田淵智也 編曲:やしきん)
内田真礼2ndシングル「ギミー!レボリューション」ミュージックビデオ
Aメロ(key=Bb)
| Bb | Am7-5 D7 | Gm7 Gbm7 | Fm7 Bb |
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 bⅥm7 | Ⅴm7 Ⅰ |
| Eb | Gb | Dm7 Gm7 | Gb F/A |
| Ⅳ | bⅥ | Ⅲm7 Ⅵm7 | bⅥ Ⅴ/Ⅶ |
| Bb | Am7-5 D7 | Gm7 Gbm7 | Fm7 Bb |
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 bⅥm7 | Ⅴm7 Ⅰ |
| Eb | Gb | Dm7 Gm7 | Cm7 D7 |
| Ⅳ | bⅥ | Ⅲm7 Ⅵm7 | Ⅱm7 Ⅲ7 |
ここまで紹介してきたのは全てサビでしたが、このようにAメロで使われるパターンもあります。
汎用性の高さ故にどこでも使える、ということでしょうか。
また、ここにもbⅥが借用で登場しているのも注目ですね。
そしてこれは個人的な意見なので話半分で聞いていただきたいのですが、AメロでⅡ-Ⅴ分解型カノン進行を使ってしまうと、サビのコード進行やメロをしっかり作りこまないとサビらしくするのが難しいと思うんですよね。
その点この曲はAメロⅡ-Ⅴ分解型カノン進行、Bメロ下降クリシェ、サビは4361系でメロもしっかり分かりやすいポップさを作り上げていて、聴くたびに「そりゃ人気曲になるよなぁ…」と思います。
上級編
OxT 「UNION MUSIC VIDEO/Making of UNION」BD&DVD発売CM
サビ(key=Db)
| Db | Cm7-5 F7 | Bbm7 Am7 | Abm7 Dbaug/G |
|Ⅰ| Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 bⅥm7 | Ⅴm7 Ⅰaug/#Ⅳ |
| Gb | Fm7 Edim | Ebm7 | Ebm7/Ab |
| Ⅳ | Ⅲm7 bⅢdim | Ⅱm7 | Ⅱm7/Ⅴ |
| Db | Cm7-5 F7 | Bbm7 Am7 | Abm7 Dbaug/G |
| Ⅰ | Ⅶm7-5 Ⅲ7 | Ⅵm7 bⅥm7 | Ⅴm7 Ⅰaug/#Ⅳ |
| Gb | Fm7 Edim | Ebm7 | Ebm7/Ab | Ebm7/Ab |
| Ⅳ | Ⅲm7 bⅢdim | Ⅱm7 | Ⅱm7/Ⅴ | Ⅱm7/Ⅴ |
| Gb B7 | Fm7 Edim | Ebm7 | Gb |
| Ⅳ bⅦ7 | Ⅲm7 bⅢdim | Ⅱm7 | Ⅳ |
こちらの曲では、Ⅰ7の代理としてⅠaug/#Ⅳが使われています。
#Ⅳ7(9,#11)omit3,5という解釈や、Ⅰ7(b13)omit5,7がⅠaugで、そのベースを裏の#Ⅳに回したという解釈など、多様な解釈ができるコードになっています。
やはりこのように一癖あるコードを入れると良いフックになるので、巧みに使われている曲を聴くと感動しますね。
【アイドルマスター】「Star!!」(歌:CINDERELLA PROJECT)
頭サビ(key=E)
| E | D#m7 G#7 | C#m7 | Bm7 Eaug/A# |
| Ⅰ | Ⅶm7 Ⅲ7 | Ⅵm7 | Ⅴm7 Ⅰaug/#Ⅳ |
| A B/A | G#m7 C#7 | F#m7 | A/B |
| Ⅳ Ⅴ/Ⅳ | Ⅲm7 Ⅵ7 | Ⅱm7 | Ⅳ/Ⅴ |
ここまで紹介してきたⅡ-Ⅴ分解型カノン進行とは少し違う形になっています。
まずⅦm7-5の部分がⅦm7ですが、ここに関しては正直厳密な理解が及んでいません…。
マイナーのツーファイブはⅡm7-5 Ⅴ7 Ⅰm7の形が基本で、ここまで紹介してきた曲もⅦm7-5 Ⅲ7 Ⅵm7になっています。
もちろん厳密にこの形でなければダメという訳ではないのでⅦm7でも問題はないのですが、「敢えてⅦm7-5ではなくⅦm7を採用している理由があるのか」というのが気になっています。
分かる方が居れば教えてください…。
それから、こちらにもⅠaug/#Ⅳが代理で登場しています。
まあ、田中秀和さんらしいという感じではありますがw
総括
というわけで、ここまで6曲を題材にⅡ-Ⅴ分解型カノン進行を研究してきました。
研究を踏まえて僕個人の考えをまとめると、例えば「勢いを感じさせたい」という場面においては、ツーファイブ分解によってコードチェンジの回数を増やすことでその目的を達成したり、「些細な感情の変化を感じさせたい」という場面においては、コードそのものの響きでいろいろな感情を想起させたり、などなど様々な場面で使えるので、そういう楽曲制作が求められる現場での活躍が目に付くのかな?という感じですね。
ただ様々な場面で使えるということは、裏を返せば使う場面をしっかり選ばないとある種のマンネリを引き起こしてしまう可能性がある、ということでもあります。
なので、作り手側はこれを使うときこそ本当の手腕が試されるんだろうな、と思いました。
まあそんな感じで今回はここまでです。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
それでは~。
3月8日、WUGのSSAとアイカツアニONのイベ被りに直面したMONACAオタクの話。
こんにちは。お久しぶりです。
今回はタイトルの通りライブ感想回です。
見ての通りちょっと特殊な内容になるかもしれませんが、WUGのオタクもアイカツのオタクも、そのどちらでもないオタクにも是非読んでほしいなと思います。
・当日までの出来事
WUGに関してですが、僕はそんなにイベントに参加できる方ではなく真剣さという面ではワグナーを名乗るのも躊躇してしまう節がありました。
ただ最後のイベントだけは見逃すと後悔すると思い、SSAの発表がある前から3月の予定はほとんど開けてありました。
その中で唯一外せなかった予定、それが「アイカツアニON」のDJイベントです。
僕は田中秀和さんが大好きで(僕のことを知ってる人には改めて言う必要もないですが)田中さんの初DJという晴れ舞台を見逃したくはなかったので、ここだけは譲れないという気持ちでした。
そして12/22の横須賀公演で3/8 SSA公演の発表があった訳ですが、この時点で僕は相当安心しました。
何故安心したか、それは
・金曜日という平日である
・DJイベントは最悪同じ日でもオールナイトになればイベ回しできる
と考えたからで、要するに横須賀公演の発表時点では「2つのイベントが完全に被ることはないだろう」と高を括っていたんです。
ところがその3日後の12/25、アイカツアニON公式から発表されたイベントの日程は「3/8 夕方から夜 都内某所」でした。
この時点で両者の開催時間が被っていることが確定してしまい、僕は絶望しました。
どちらかに行くにはどちらかを切り捨てなければならない、そんな苦渋の選択を迫られてしまったのです。
ここで僕は考えました。まだどちらも切り捨てたくはない、と。
アイカツアニONはイベントのタイムテーブルがまだ発表されていない。
もしかしたらSSAからアニON、もしくはその逆という形でイベ回しできるかもしれない。
そう考えてアニONのチケットを確保しておきました。
すると2月1日、アイカツアニON公式からの発表がありました。
それは「田中秀和さんの出演は22時過ぎを予定しています」というものでした。
僕はその一文に希望の光を見出したのです。
「SSAからDJ会場までは電車で40分程度であり、21時半までにSSAを出られれば十分見られる」と。
ただ実はこの段階でもう一つ問題を抱えていて、そもそも3月8日に遠征できない=どちらにも参加できない可能性がありました。
これは個人的な事情なので内容は伏せますが、直前まで参加できるかできないかの瀬戸際でした。
しかし死力を尽くしてこの問題をなんとか解決することができたため、晴れて3月8日を迎えることができ、ひとまず安心していました。
・当日の出来事(開演前)
まずSSAに向かい「MONACAの皆様に感謝の言葉の寄せ書きを贈る」企画を主催しつつ仲の良い人たちと交流(ちなみにこの企画、オタクからは大変好評でしたが本人たちに届くかは今のところ不明です)。
その中で当日同じムーブをする予定だった人たちと話し合い、「21時半にタクシー乗り場に集合してアニON会場に向かう」というルールを決定しました。
そしてその後も初対面の人、久しぶりに会う人いろんな人と交流していたらあっという間に開演時間を迎えてしまいました。
・ライブ~アニONまで
まずは曲順で感想を述べていきたいと思います。
1.タチアガレ!
1曲目はこれであってほしいと思っていました。
やっぱり原点の曲ですし、「WUGらしさ」を決定づけた曲だと思うので。
今まで見たどの「タチアガレ!」よりも素晴らしかったです。
2.16歳のアガペー
この時点で「ああ、時系列順で来るのね」という理解を致しました。
最近の広川恵一さんの楽曲とは違ってかなり直球なアプローチの曲ですが、WUGの広川曲だとこれが一番好きかもしれないです。
ベースの振りコピが楽しい(?)
予想通りっちゃ予想通りなんですがやっぱり高まるもんは高まるんですよ。
僕の推しであるところの青山吉能さんによる「♪でもね一緒に流した涙ファ~」でもう感無量になり、満面の笑みで涙をこらえるおじさんと化しました。
4.ゆき模様 恋のもよう
この曲のベースがめちゃくちゃ響いてきて、「ああ自分は今SSAでWUGの曲を聴いているんだ」ということを再確認した瞬間涙が零れだしました。
「なんでこんな良い曲なんだろう…なんでこんな良い曲を歌うユニットが解散するんだろう…」と考えながら聴いていました。
5.言の葉 青葉
前の曲からの流れが卑怯すぎませんかね?
Q.なんでこんな良い曲が続くの?
A.良い曲しかないから。
また泣いてました。
まゆしぃの「がんばってねと かんたんに言えないよ」の歌の重みが確実に胸を突き刺してくる、そんな感覚でした。
もう聞けないかもなぁとおもっていた曲が流れ出した上に、冒頭で照明の光が8本あった時点でもう高まらざるを得なくないですか。
May'n部長、噂によると一般ワグナーに紛れて参加していたらしくて笑いました。
7.素顔でKISS ME
めちゃくちゃかっこよかったです。
周りの目も気にせずゴリゴリにヘドバンしていて、ふと前を見たらひとつ前のオタクもヘドバンしてました。
正直まだ首が痛い。
よぴ推しの僕としては絶対に聴きたかった曲。
飛びまくった記憶しかないです。
9.メドレー(キャラソン1~NSDH)
大好きなキャラソン1シリーズではしゃいで飛びすぎたせいで足攣りました。
実は直前まで「可笑しの国」「スキ キライ ナイト」にドハマリしていたので特に嬉しかったです。
10.ワグ・ズーズー
正直聴きたかったけど聴けないだろうなぁと諦めかけていたので、歌いだしの瞬間嬉しすぎて飛んだら足に激痛が走りました。アドレナリンで誤魔化しました。
ここまでは「ああ楽しい!最後なのにこんなに楽しくていいのか!?」と思っていました。
11.HIGAWARI PRINCESS
7人がPRINCESSで良かった。7人がWUGで良かった。そんな風に思いました。
言葉にすると俗っぽいですが「エモ」だったなぁと…
このあたりからだんだん「終わり」を意識しながら見ていたような気がします。
12.スキノスキル
もうめちゃくちゃ大好きな曲なのはこのブログでも何度も述べていますが、やっぱり良い曲なんですよ。
「完結してたはずの世界を 変えてゆけるんだね」の歌詞、「ツアーファイナルで完結していたはずの世界を変えた結果このステージがある」と解釈するとこんなにふさわしい歌われ方はなかったんじゃないかなぁと思います。
13.僕らのフロンティア
「WUGという作品に縛られない、他作品での歌唱」というWUG史上初の曲であり、WUGの中でも大きな転換点の一つに当たる曲です。
「きっとどこ切り取っても たぶん何年たっても
先までゆけるはずだ もっと もっと なんて 思っているんだろう」
なんて解散するユニットに歌われたら、泣いちゃうよなぁ…
14.7 Senses
SSAで歌われる「約束の地で待ってて」、ここが約束の地なんだよ!!!!!って叫びそうになりました。
失礼を承知で言うと、正直SSAなんて無理だ、絶対埋まらないと思ってました。
でも実際はあれだけの人数を集めたんですよ、彼女たち。
それってとってもすごいことだなって、実感しました。
なんかうまく言えないですけど。
15.極上スマイル
歌詞間違えたっていいんだよ!!!楽しいのが一番だからね!!!
この曲の時だけは悲しいことも全て忘れて、全力で楽しめた自信があります。
16.雫の冠
そしてこの落差(というと語弊がありそう)。
でもこれだけいろいろな楽曲をいろいろな表情で披露できるWUGってやっぱ最強のユニットだと思います。
このあたりで「ああ、終わりが近づいているな…」と思いだして猛烈に寂しくなり始めたのを覚えています。
17.少女交響曲
この辺からどういう感情でいたのか、ぐちゃぐちゃすぎて記憶が定かじゃないです…
ひたすら死力を振り絞って精一杯の声を上げていたような気がします。
もう二度と聴けないかもしれないから、後悔だけはしないよう全力で応援していたと思います。
これはひたすら聴き入って、感動していました。
僕はずっとこの曲の持つ「神聖さ」を汚したくなくて、一切声は出さないことにしていたので最後までそれを貫きました(別に声出す人を責める訳ではなくてただの僕の拘り)。
「WUG最高~!」は2次元と3次元のハイパーリンクが完成した瞬間で、もう涙しかなかったですね。
「祈り捧げるよ」で祈りを捧げる奥野香耶さん、女神。
何回も見ていても絶対泣いてしまいます。
19.海そしてシャッター通り
MEMORIALの4曲については前の記事で詳しく書いたのでそっちも読んでいただきたいところ。
ただライブで聴くのは初めてだったので「覚悟」はしていました。
生の歌を聴いて初めて、この曲が持つ意味をしっかり咀嚼できたような気がします。
20.言葉の結晶
4曲で唯一ライブで聴いたことがあった曲ではあるのですが、音源で聴いてからライブで見るのはまた違ったものがありました。
突いたら割れそうで冷たい、まさしくガラスみたいな声で歌われるこの曲は、多分今後どんなユニットにも歌えない曲だと思います。
21.土曜日のフライト
この曲は「決意の歌」だそうです。
「忘れないで でも上手に忘れて」
この一節に全てが詰まってる、というと過言かもしれませんが、それぐらいの思いを感じました。
もちろんボロボロ泣きましたよ。
22.さようならのパレード
いや、もう、無理でしょ。
ひたすら泣きに泣きまくりました。
「Wake Up!」全力で叫びました。
ここで本編が終了、確か21時前ぐらいだった気がします。
「もしかしたら最後まで見れないかもしれない…」
そんな思いが頭をよぎりつつ、なんとか見届けられることを祈りながらアンコールを待ちました。
EN1.SHIFT
「ウッソだろお前wwwwww」ってなりました。
忘れてたというか、もう後は散々泣いて終わりだと思ってたんですよ。
こんな楽しくなれる曲来たら思わず笑っちゃうでしょ。
間奏のセリフパートがないんだな~とは思いましたが、後で「鍵を探す必要がなかったから」っていう解釈を見かけて完全に納得しました。
EN2.地下鉄ラビリンス
ひたすら楽しかった、それに尽きます。
飛んで叫んで踊ってはしゃぎまくって…もうすぐ終わりなのにこんなに楽しんで良いんだろうか?という疑問すら湧いてこないぐらい頭空っぽで楽しめました。
EN3.TUNAGO
あんだけ楽しい曲をやった後にこれだけのメッセージを込めた曲が歌える、そんなユニットって唯一無二でしょう。
そしてそれは紛れもなく「WUGにしかできない」ライブだったことの証明でもあります。
(ついでにここまでのEN3曲が全て広川恵一の手によるものって言うのもMONACAオタク的にはポイントが高い)
そしてここでアンコール1回目が終了、時間を確認すると21時20分前でした。
恐らく今抜ければアニONで田中さんがDJを始める時間に間に合う…
でも僕は、抜けられなかった。
まだ一番大事な曲を聴いていなかったから。
一緒に行く予定だった人に「ごめん、あの曲を見ずには死ねない。先に行ってくれて大丈夫だから」と連絡を入れて、「それ」を待ちました。
ダブルアンコールで登場したメンバーが書いたワグナー宛の手紙、七者七様だったのが印象的でした。
感動的な文章だったり、笑いが巻き起こったり、それぞれが伝えたい思いがあって。
バラバラなのに、7人集まると最強のユニットになる。ホントに不思議ですよね。
DEN1.Polaris
これを聴かなかったら一生後悔していました。
7人で書いた歌詞、それに込められた思い。
そしてまゆしぃの「満点の星空を、ありがとう」。
溢れんばかりの思いを受け止めて、その思いに涙を抑えるなんて無理でした。
そして僕は「これを見れたらもう悔いはない」と思い、SSAを出てアニONの会場であるシアターGロッソに向かうことを決意しました。
さいたま新都心から電車に乗り込んだのが22時過ぎ、着くのは22時50分頃でほとんど見れない可能性が高かった訳ですが。
電車の中でTwitterを見てたら「トリプルアンコール、タチアガレ!」との文字が見えて「これは最後まで見届けた方が良かったのか…?」と悩んでいたら電車の乗り換えを間違えてしまい、一度は「これは終わった…もうダメだ…」と思いました。
でも、ここで諦めたらわざわざSSAから抜け出して来た意味がない!と思い直し、なんとか間に合う手段はないか必死に調べました。
すると標準乗り換え6分のところを2分で乗り換えれば間に合うかもしれない、という発見をしました。
乗り換えの駅に着いた瞬間、最後の体力を使って全力疾走しました。
そして……なんとか間に合わせることができました。
後楽園駅に着いたのが22時45分頃、そこからまた走って走って、シアターGロッソに着いたのが22時54分でした。
しかし会場の前には柵と「本日は終了しました」の立て看板が…
「そうか…ダメか…」
絶望していたところに、建物の中からスタッフが出てきて声をかけてきました。
「あの、どうかなさいましたか?」
僕は僅かな希望をもってこう尋ねました。
「まだはいれますか…?」と。
すると
「チケットと購入証明書はございますか?」と確認してきました。
僕は準備していたそれらを見せると、
「もう最後の曲ですよ、それでもいいですか?」と再度確認してきました。
ここまで来た時点で僕としては当然そんなことは承知済み、
「もちろんです!ありがとうございます!」と返事をして入場させてもらうことができました。
会場に入った僕を出迎えてくれたのは田中さんが流す「カレンダーガール」。
「何てコトない毎日が かけがえないの」
この歌詞に全てを救われたような感覚になりました。
WUGのライブ、そしてWUGがあること自体が「何てコトない毎日」だと思っていた、でもかけがえないものだった。
そんな瞬間を目撃してきたからこそ、そんな感覚になれたんだと思います。
最後の田中さんの挨拶でも「何てコトないものが実は特別なんだよ」というような話をされていて、本当にその通りだと何度も大きく頷いていました。
ありがとう、田中秀和さん。
次のDJの時は全部見られるようにしますので、またやってください。
・最後に
この日僕が選んだ行動、その全てにおいて後悔していることはありません。
WUG、ありがとう。
アイカツ、ありがとう。
Gロッソのスタッフさん、ありがとう。
田中秀和さん、ありがとう。
一生この日を忘れません。
「Wake Up,Best! MEMORIAL」に収録されている4曲の新曲の話。
※この記事はネタバレを含みます。まだ聴いていない方は一度聴いてから読むことをオススメします。
こんばんは。
そういえば2019年初更新でした。あけましておめでとうございます(遅)
さて、2019/1/23に声優ユニットWake Up,Girls!の集大成であるアルバム「Wake Up,Best! MEMORIAL」が発売されました。
3月いっぱいで解散する彼女たちの最後のCDになるのですが、僕も世にいう「ワグナー」なのでもちろん予約しており、無事23日に受け取ることができました。
早速聴いたところ、これがあまりに素晴らしすぎました。
このアルバムは8枚組のCDで、7枚目までは既存の楽曲を収録、8枚目に新曲4曲とそのインスト版が収録されています。
既存の楽曲も勿論素晴らしくこれだけでも原稿用紙10枚は余裕で語れるんですが、それはいずれ機会があれば…ということで今回は新曲4曲にスポットを当てて思ったことを書き連ねたいと思います。
まず、この4曲についての概要を簡単に説明すると、作編曲を高橋邦幸、広川恵一、田中秀和、神前暁というMONACAの4名がそれぞれ担当しており、作詞は全曲只野菜摘となっています。
WUGのことを知っている方は一度は見たことのある名前であり、これまでのWUGを支えてきたと言っても過言ではない方々です。
そんな方々が作る4曲はWUGへの理解・愛情が詰め込まれていて、集大成を飾るにふさわしい楽曲たちだなぁと思いました。
それではここからは1曲ずつ個別の感想を書いていきたいと思います。
・海そしてシャッター通り 作詞:只野菜摘 作・編曲:高橋邦幸(MONACA)
まずは高橋さんの楽曲。
WUGで高橋さんといえば劇伴のイメージが強く、歌モノは「あぁ光塚歌劇団」「プラチナ・サンライズ」「ワグ・ズーズー」の3曲しかありません。
しかもその2曲も雰囲気が全く異なるので発売前から「どういう楽曲になるんだろう」と期待していました。
出だしの「♪北風吹く~」のメロディで「これは確かに高橋さんっぽい」と思っていたところにピアノ、ストリングスが入ってきて「なるほど」となります。
これは劇伴でよく聴いていた高橋さんの音楽に近い……と思ったのですが途中で「いや違う!?」と気付きました。
これ、劇伴のフレーズそのものじゃね…?
そして1番終わりのフルートで確信しました。
「Wake Up,Girls!新章の劇伴(Wake Up,Best! 3に収録)の『小さな一歩』だ」、と。
なるほど劇伴で貢献してきた高橋さんがここでそれを活かしてくる、これは一本どころか二本も三本も取られたなと思いましたね。
話は少し逸れますが、「オタクは文脈に弱い」という僕の持論がありまして。
「過去にこういうことがあった、それを踏まえて今を見るとまた違う意味が出てくる」という構成に弱いのは全オタクに言えることではないかと思います。
この曲の話に戻すと、「過去にあった劇伴を最後の曲に入れてくる」ということに感動を覚えるわけです。
更にそこに加えて歌詞がまた素晴らしいんですよね。
「♪ひたすら歩く 懐かしい 愛おしい 私の街」
この「私の街」が指す街は、WUGの文脈を踏まえれば東北地方という解釈ができます(もちろんそれだけの意味ではないとは思いますが)。
そしてそう捉えると「海そしてシャッター通り」という曲名も重い意味を持っているように感じます。
WUGと東北地方、もっと言えば仙台とは切っても切れない関係であり、それを改めて認識させてくれました。
最後のサビ「♪フードの~」からの合唱、「言の葉 青葉」を思いだしてグッときます。
そして最後の「♪そっと眠って」からアウトロで優しく終わる、なんだか原点というか、実家(HOME)に帰ってきたかのような気持ちになりました。
楽曲的にもかなり趣向が凝らされており、1曲目からいろいろと考えさせられてしまいましたね。
・言葉の結晶 作詞:只野菜摘 作・編曲:広川恵一(MONACA)
続いて広川さんの楽曲。
こちらは発売前にFINAL TOURの熊本公演で初披露され、その後大阪公演でも披露されていました。
更に試聴動画もYouTubeにアップされていたので、ある程度の情報は知っている状態で発売を迎えた方も多いかと思います。
かくいう僕(よぴ推し)も熊本公演に参加しまして、この曲の初披露に立ち会うことができました。
熊本昼公演では誰が作ったかを公開する前の披露で、直前のMCで「誰が作ったか当ててね(意訳)」と言われたので真剣に当てにいったんですが、歌いだし1秒で「あっ広川恵一だ」となったぐらいには個性丸出しですよね(後で近くに居たワグナーに「反応が早過ぎるw」とツイートのネタにされていた)。
さて、この曲を聴くと広川さんは「音をどこまで削れるか」ということに挑戦しているように感じます。
それを裏付けるかのような広川さんのツイートを1つ紹介させていただきます。
必要な音さえ鳴ってればトラック数なんて少なくていいんだよ! っていうアレンジの仕方がマイブーム。
— 広川恵一(MONACA) (@HirokawaKeiichi) January 9, 2018
まさしくこの楽曲は必要最小限の音だけが鳴っていると思います。
2:29辺りの完全な無音(「無音」ではなく「休符が鳴っている」と言った方が正しい)、実際は2秒程なのにライブで聴いた時は10秒程に感じたのは、その美しさに息を飲んだからかもしれません。
そしてこの曲は拍子がややこしいですね。
(以下自信のない考察です、間違っているかもしれません)
3+3+2とか4/4とか3+4とかを行ったり来たりしているのかな?と思います。
「♪私もいつかは~」と「♪最後に感謝を~」では拍子が違うように聞こえます(3+4→3+3+2っぽい?)。
広川さんはこういう変拍子の曲を書いた前例(アイマスの「CRIMSON LOVERS」とか)があるので実際そうでもおかしくはなさそう。
「♪存在だけで 美しいもの」の部分はメンバーが1文字ずつ歌っていくのですが、ここの「7」拍子を狙ってやってるのだとしたら、相当な策士ですよ……。
そしてまた只野さんの歌詞が良い。
「♪哀しい 苦しい 説明ならなくていい
泣いても 呼んでも 夕暮れだけ残った」
この歌詞を解散するユニットに歌わせる重さ、これで刺さらない訳がないんですよね。
「♪最後まで演奏を続ける この船
強さが あなたに届くと信じる」
まさにこれ。彼女たちの最後の雄姿、見届ける必要があるなぁという気持ちになります。
そして最後の歌詞、
「♪輝きだけが 言葉の絶唱」
最早語る必要もないですかね。
あの歌い方でこの歌詞を歌われたら……
・土曜日のフライト 作詞:只野菜摘 作編曲:田中秀和(MONACA)
3曲目は田中さんの楽曲。
これも「言葉の結晶」と同様に大阪公演で披露されており、試聴動画も公開されていました。
僕は諸事情で大阪公演に参加できなかったのでCDで初めてフルを聴くことになったのですが、これまた素晴らしいですね。
既にTwitter等で多くの方が言及している通り、80~90`sのシティポップをなぞらえているのかなと思いましたが、それだけで終わらないのがやはり田中さんの真骨頂でした。
同じフレーズをそのまま繰り返す、ということをせず少しずつ変えてくるのは田中さんの常套手段であり、この曲でも随所にそれが表れています。
1番ではBメロからサビにすっと入るのに2番はBメロからサビに入らず間奏→サビと展開し、そのままBメロ前半に繋いで2回繰り返し(かつ1回目と2回目で変化する)からのBメロ後半(ここも今までと変わる)、そしてラスサビ×2(もちろんここも変わる)という怒涛の展開になっています。
MONACAの方々は数々のWUGの代表曲を作っていてもちろんWUGメンバーの歌唱力についてはご存じなはずです。
その上で広川さんも田中さんもこれだけ歌うのが難しそうな曲をWUGに提供していることを考えると、WUGとMONACAの信頼関係ってものすごくあるんだなぁと痛感します。
この曲の話に戻ると、Bメロ後半でコードが白玉ジャーンで次々変わっていくのが心地よいです。
「♪気持ちが」のところが#Ⅳm7-5 Ⅶ7のツーファイブで、これ自体は特別珍しい訳でもないコード進行なんですが何故か特別エモく感じてしまうのはなんなんでしょうか……
それからサビの歌詞。
「♪土曜日のフライト チケットとプライド
信じて行かないと 証明をしないと」
メッセージ性もあるし韻の踏み方も気持ちいい、お手本のような歌詞だと思います。
「♪忘れないで でも上手に忘れて
悔しい怖い泣きたい もうそのレベルじゃない」
ここが一番印象的な方も多そうです。
解散を控えたユニットにこんな歌詞を歌われて泣かないとか無理じゃないですか?
何なら僕は今もこれを書きながら泣いてます。
そして「土曜日のフライト」というタイトルなんですが、解散が発表されたのは6/15の金曜日、そしてファイナルライブは3/8の金曜日。
このタイトルには「解散後にそれぞれの道へ羽ばたくWUG」という意味が込められているように思えてなりません。
羽ばたいていってほしい、よなぁ…
・さようならのパレード 作詞:只野菜摘 作・編曲:神前暁(MONACA)
最後は神前さんの楽曲。
WUGの始まりの楽曲「タチアガレ!」も神前さん、最後の楽曲も神前さん、その時点で既にエモさが限界なのに…この曲名…限界突破ですやんか…
神前さんの大団円楽曲が僕は大好き(アイマス「M@STERPIECE」とか、アニサマ2018テーマ「Stand by...MUSIC!!!」とか。)で、この曲も例に漏れず大好きなのですが、それだけでなく更にイントロから前述の「オタクは文脈に弱い」を証明するかのように「文脈」が埋め込まれているんですよね。
・イントロが「タチアガレ!」のイントロのピアノのフレーズ引用
・サビ前に「タチアガレ!」のサビ「♪Wake Up!」のメロディが鳴っている(インストで聴くと特に分かりやすい)
ちゃんと採譜はしていませんが、多分サビのコード進行もタチアガレ!に似せてありますね。
歌詞の方でも
・「♪極上の笑顔」(極上スマイル)
・「♪大きな想いの鞄」(16歳のアガペー「♪バッグの方は~」か?)
・「♪旅人を癒す」(スキノスキル「♪一緒に居たい 癒していたい」か?)
などなど、「文脈」そのものではなくとも連想するものが埋め込まれていたりします。
そして、これ以外の「文脈」の中で特筆したいことが僕には2つありまして。
1つ目は2番Aメロ「♪私の歌はあかぬけなくて重たい」「♪ぶつかってくれた声と同じくらいにね」の歌詞とパート割。
僕の耳が間違っていなければ前者がよぴ、後者がまゆのはず。
青山吉能の歌、それから結成当初青山吉能と吉岡茉祐がケンカしたこと、それを経て今があること、そして今この歌詞を歌うこと。それってめちゃくちゃ意味があることじゃないですか。これこそWUGの究極の「文脈」だと思うんですよね。
故に、この歌詞を書いてくれた只野さんには感謝しかできません、という結論に至るんですよね。
もう1つはラスサビ終わってから。歌詞カードに書いていない「♪Wake Up!」の歌。
歌詞カードに書いてある歌詞が終わって「これで終わりか…」という気持ちになってからその歌声を聴いた瞬間の震え、涙。
最初と最後が輪で繋がったような、また帰ってきたかのような何とも言えない感情。
きっと何年経ってもここを聴くたびWUGの歴史を思い返すことになるんだろうな、と思います。
そして一番印象的な歌詞。
「♪さようならはいやだよ
慣れることなんかない
だけど背中 押すみたいに
あなたのリズムが聴こえてる」
僕の大好きな曲にUNISON SQUARE GARDENの「シャンデリア・ワルツ」という曲があるのですが、この曲にこんな歌詞があります。
「♪ハローグッバイ ハローグッバイ
何度も繰り返す 死んじゃうまできっと
悲しい事でも何でもない
その度に君は大人になる」
と。
さようならはいやだし、慣れることもないし、でもそれって生きていたら何度も繰り返すことで、避けられないことなんですよね。
でもその度に大人になるのが真実だとしたら、彼女たちの背中を押してあげるのが「あなた」が出来ることなんじゃないでしょうか。
3/8のファイナル、何とかして見届けてあげたいですね。
以上、僕が思うことをつらつらと書き連ねました。
長くなりましたがここまで読んでくださった方、お付き合いありがとうございました。
「♪また会いたいんだ」
また「Wake Up,Girls!」に、会えるといいな。