音楽は今日も息をする。

あんでぃの音楽関連の記事を書くブログ。MONACAと田淵智也多め。

「あんずのうた」から「スローライフ・ファンタジー」へ

2/1はTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 08「BEYOND THE STARLIGHT」のリリース日です。
つまり今日1/31には多くの店でフラゲが出来る訳ですね。
そこでこのCDに収録されている双葉杏のソロ2曲目スローライフ・ファンタジーについて、THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 002に収録されているソロ1曲目「あんずのうた」と絡めながら思っていることを脱線しながら綴っていきたいと思います。

※以下の内容は歌詞の引用などを含むため、ネタバレされたくない人はブラウザバックを推奨します。


まず「あんずのうた」について。
この曲は、CINDERELLA MASTERシリーズの第1弾として同時リリースされた5枚のCDのうちの1枚に収録されている双葉杏のソロ曲です。
作編曲は佐藤貴文さん、作詞は八城雄太さんと佐藤貴文さんの共作となっています。

杏ちゃんに関して言えばまずニートアイドル」という初期設定自体がぶっ飛んでるんですけど、楽曲もそれに負けないぐらいぶっ飛んでる「極上の電波ソングです。
縦読みが仕込まれてたり、アイマス初期の人気曲のフレーズをパク引用したり、録音テープを流したりやりたい放題しています。
ちなみに佐藤さんはアイマス曲の作曲はこれが初めて(後に765、ミリオンにも書いています)ですが、初っ端から全開というかなんというか…ほんとにこの人が書く曲は例外なく楽しいです。

それはさておき話を「あんずのうた」に戻しましょう。
この歌は「双葉杏のソロ曲である」ということももちろん大事なのですが、シンデレラガールズの曲としてもとても強い意味を持つ曲です。
シンデレラガールズの曲で初めてライブ披露されたのがこの曲(2012年5月のマチアソビ)というのも1つですが、シンデレラガールズってここまでやってもいいんだ」という1つの道標的な意味があると思います。

ここで、こちらの記事中の一節を引用します。
IPディレクターからの要望は強烈で、“働きたくないアイドル”で“電波曲”、そして濃いキャラクター性を出すというもの。

 そこで佐藤さんがとった手法は、ゲーム屋としてキャラクターと真正面から向き合って、企画書から楽曲を作り上げるということだった。ゲームの企画書でよく見るようなキーイメージ(ビジュアル)をまず作り、そのイメージに沿って輪郭を決めていく。
発注としてキャラクター性を押し出そうという意図があって、それに応える形で出来た曲というのがわかりますね。

2017/1/31現在シンデレラガールズには183人(他事務所,トレーナー除く)というものすごい数のアイドルが居て、それぞれが強い個性を持っています。
そして「その中でCINDERELLA MASTERのリリースが決まりソロ曲を歌うことになったアイドルにはどういう曲が相応しいか」ということを考えた時に、「そのアイドルの個性を分かりやすくアピールする」という選択肢が生まれてくるわけです。
そういう意味で、CINDERELLA MASTERシリーズのソロ曲は総じてアイドルソングというよりはキャラソン、自己紹介という意味合いが強い」と言えますね。
「あんずのうた」はその先陣を切ったという点で、後々の方向性にも大きな影響を与えていると思います。


続いて本題の「スローライフ・ファンタジー」の話に移ります。
この曲は、前述の通りSTARLIGHT MASTERシリーズの第8弾にカップリングとして収録されている双葉杏のソロ曲2曲目です。
作編曲は田中秀和さん(前回の記事で散々語ったので今回は省略)、作詞は「あんずのうた」に引き続き八城雄太さんとなっています。
作曲の田中秀和さんは前々から「杏の2曲目が来たら書きたい」という趣旨の発言をされていて、今回ついにそれが叶った形ですね。エライ谷有能

上記の「あんずのうた」に始まり、「Happy×2 Days」ではラップを披露したり、「あんきらではあんきも連呼したり、いろいろなことをやってきた杏ちゃんが満を持して放つ「普通に歌う曲」です。

さて、先程説明したCINDERELLA MASTERシリーズのソロ曲の意味合いとは対照的に、STARLIGHT MASTERシリーズに収録されているソロ2曲目には「アイドルとしての成長を踏まえて歌う曲という意味合いが強い」ということが言える、というのが僕の持論です。
つまり前述の楽曲たちを踏まえてこそ「スローライフ・ファンタジー」という楽曲が持つ意味は強くなってくると思います。

(ここまでは試聴段階で書きました、こっからはフル聴いた直後の語彙がない状態で書いてます)
スローライフ・ファンタジー」は落ち着いた曲調で派手な展開こそありませんが、それ故に歌詞が心に染み渡ります。
この曲で歌われるのは一言で言えば「杏の心情」な訳ですが、この心情の中に杏の今までとこれからが詰め込まれていると感じます。

例えば、2番のサビ前半にはこんな歌詞が登場します。
宇宙は広がりまくる
スペクタクルな風呂敷
広げすぎて困ったら
全部 夢オチ
ここで「あんずのうた」の歌詞の最後の一節を思い出してみましょう。
…という夢を見たんだ
そう、これはまさしく「夢オチ」です。
「あんずのうた」で壮大に広げた風呂敷を夢オチで〆た過去を歌っている訳ですね。

そして、この曲の間奏・アウトロのコーラスの歌詞はこうです。
スローに生きていこう ずっと
スローに生きていこう キミと
これが未来の話ですね。
「キミ」が誰なのかは明言されていませんが、これは過去に一緒に活動してきたアイドル仲間かもしれないし、プロデューサーかもしれないし、はたまた別の人かもしれない。
各自の解釈次第で変わってくるところなので、敢えて「これ!」ということは言わないことにします。

他の部分の歌詞には杏ちゃんの価値観や性格が滲んでいます。
いつも
なんにもせず眠りたい
全身でだらけてたい
これは2番サビ後半の歌詞ですが、よく知ってる杏ちゃんの姿も健在ですね。

そして個人的に大好きな歌詞がラスサビの前半部分です。
ホントに大事なものは そんなに多くないから
両手で持てる分だけ 大事にしよう
「そうか…杏ちゃんはこんなことを思っていたんだな…」と思うと涙が零れます。
「両手で持てる分だけ」というのも杏ちゃんらしくてとても良いです(語彙が貧困)。

本当はもっとたくさん引用したい良い歌詞がたくさんあるのですが、全部を咀嚼するにはもっともっと時間をかける必要があると思うのでとりあえずここで締めさせてもらいます。
もし新しい解釈が生まれた時には、また長々と語りたいですね。


という訳で今回の記事はここまでです。
スローライフ・ファンタジー」はもちろん加蓮の2曲目「Frozen Tears」も表題曲「BEYOND THE STARLIGHT」も、アイドルの成長を感じられるとても良い曲です。

是非購入して、じっくり何度も何度も聴いて欲しいですね。宣伝は基本